君を手に入れたくて。 (ページ16)

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16.恋の予感ページ16

気分の悪い夢を見た。内容は霧が掛かっているようで分からないけど、

気分が悪いまま目が覚め、誰の部屋か分からないがその場を後にし階段を降りる。

すると真っ先にリッチーが駆け寄ってきた。

長々とエディの説教を受けつつビルにお風呂場へ案内される。

スタンの家だったんだなぁ、とぼやぼやしつつ衣類を脱いでお風呂に入る。

カタカタ、と脱衣場から音がした。

『ここに置いておくよ』

とスタンの声が聞こえ、

「あ、ありがと、」

と答える。パタンと扉が閉まればまたぼー、とする。

大分浸かっていたからか逆上せてきた。
ゆっくりと風呂をあがっては着替える。

「お、お待たせ。」

フラフラとする足取りだったのを見兼ねたエディが肩を貸すよと助けてくれた。

『はい、コンソメスープだけど大丈夫？』

「うん、大丈夫だよ。」

椅子に座り、スタンと向かい合う。
他の3人は少し離れたところで騒いでいる。

「あ、あの、」

『あぁ、朝のことなら気にしないでいいよ。僕も少しキツすぎたね』

ビクッ、と肩が揺れれば相手を見やる。

スタンは申し訳なさそうに困った表情でスープを啜る。

その綺麗な姿にドキッと心が踊った。
なんだろう、今の感覚…。リッチーにすら抱かなかった感覚だ。

『どうかした？まだ引き摺ってるの？』

ひょこ、と顔を覗かせてくる相手に驚いて顔を逸らす。

熱が顔に集中してくる不思議な感覚、暑い、

『顔が真っ赤だ、A？もしかして熱？』

否定しなきゃと思えば思うほど声が出ない

異変を察知したのか他の3人が寄ってくる

『おいおい！恋した乙女みたいに顔が赤いぞ！キスでもしたか？』
とからかってくるリッチーに対しエディは

『そんな冗談やめろ！熱だったらどーするんだ！』
と反論し騒ぎ出す。

『き、今日は、ぼ、僕が送っていくよ、』

「あ、あ、ありが…と、」

リッチーは驚いた表情で
『今のビルより吃ってたぞ！』

本当に恋に落ちたのか！と騒ぎ出すから止め出すエディとビル。

スタンをちら、と見ると

リッチーの言葉を聞いて顔を赤くしていた。

何その反応…、まるで私のこと好きだったかのような、

そんな期待したキラキラとした瞳を見せないで。

本当かも分からないのに、

そんな、私はまだリッチーのこと諦めてるつもりじゃないのに、

どうしてだろう。

気づけば、リッチーのことは頭から抜けていた。

スタンしか考えられないこの頭をどうにかしたい。