君を手に入れたくて。 (ページ11)

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11.私のせいページ11

やってしまった。

ついにあのスタンを怒らせてしまった。

スタンを怒らせてしまったのはビルと私だけだろう。

一回目はビルだった。それ、を倒すため井戸の屋敷へ行ったときだ。

みんな怪我だらけでも次はしっかり準備していこう、と言いリッチーもスタンもみんな怒ってバラバラになったんだ。

二回目は私。今日の出来事、好きな人を執拗く言わせようとした私が原因だった。

付き合いはビル達より短いがスタンのことは分かりきっていたと思い込んでいた。

私の頬を冷たい雫が1粒伝うとたくさん溢れてきた。

視界は涙で歪み切っている。

時刻は13時を回った。エディ、家に居るかな…と呟き受話器を手にエディの家へ電話をかける。

5コール目でプツ、と音がし雑音の中に聞きなれた声が聞こえた。

『もしもし、A？どうしたの？』

「ご、ごめんね、忙しいときに、」

普段電話越しで聞く私の声よりも今はあまりにも小さく震えた声だったのだろう。
彼は慌てた様子で

『ど、どうしたの！？今家！？そっちに向かうから！！』

「うぅ、エディぃぃ、」

わんわんと泣く私。プツリ、と電話が切れればグズグズと泣き崩れる。

少しして泣き疲れた私は電話を手にしたままぼー、としていた。

ガチャッとドアの音がし、入ってきたのは電話した相手、エディだった。

私を見るや否や慌ててタオルを濡らし、私の目元に押し当て。

『何かあったの！？そんなに目元真っ赤に腫らして、まさか強盗！？』

「ゔっ、大丈夫…。ちょっと、スタンとね…」

私は細かく事情を説明し、私のせいで…とまた再度泣き出してしまった。

エディは何も言わず、背中を一定のリズムでとんとん、としてくれた。その優しさにまた悲しく涙が止まらなかった。

時間がゆっくりと経過し、ポッポーと時計の音が流れ出した。恐らく15時になったのだろう。

大丈夫？と心配そうに聞く相手に大丈夫、と返す。

『…Aはスタンと仲直りしたい？』

「当たり前じゃない、大嫌いのままなんて嫌よ。」

『だよね。あー、、スタン探してこようか？』

これ以上は申し訳ないと思い、私は

「いや、大丈夫よ。きっと家に居るだろうから」

なんの自信もないが、そんな気がした。

一緒に行くよ、と言われたが気持ちだけで嬉しい、ありがとう。と言い家まで送って行った。

そして私はエディの家を後にし、スタンの家へと向かった。