推しが彼氏で彼女が推し 𝙻𝙾𝚅𝙴 𝚈𝙾𝚄 (ページ8)

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308話ページ8

以外に恥ずかしくて沈黙が流れてしまう
あー、やってしまった

｢んー、おはよーさん……｣

声がうるさかったのか目を擦りながらこちらを見る遠山の頭を撫でる

｢おはよ。うるさかったか？すまないな
まだ起きるのには早い寝ていてもいいぞ｣

遠山が頭に手を擦り付ける猫のような動作がとても可愛い
すると遠山の目付きが鋭くなる

｢Aから血の匂いがする
どないしたん？怪我でもしたんか？いとーない？
兄ちゃんにやられたんか？｣

変な勘違いをしている遠山は真田を威嚇する
よくそんな元気があるもんだ
寝起きがいいのは素晴らしい

｢生き物を捌いたんだ
その時に血がついてが洗ったんだが……鼻がいいな｣

傍にある生き物の方を見せてやると納得したような素直な顔に戻る
顔に出やすいからか何も考えなくともわかる
何を考えているかが

｢せやで！ワイはなー｣

可愛い自慢話に頷きながら話を聞く
そうか、そうか
そんな可愛いことがあったのか

真田｢お前は遠山に甘すぎないか｣

呆れたような顔つきでそう言われる
どこがだ？普通だろう

｢どこが普通だ
俺がこんなことをしていたらどう思う｣

｢何かあったのかなー、とか
あー、甘えたさんな日か……とか
撫でないし様子を見る
甘やかさない｣

｢そうだろう
遠山の時は何も思わないのに
それが甘いんだ｣

その言葉にハッとする
もしかして……俺は子供が好きなのか
こんな顔で？
子供を泣かすことしか出来なさそうな顔で？

この世は理不尽だな

｢馬鹿なことを考えてないで火をみておけ｣

すっかり忘れていた火をみると少し弱まっている
焼くとしても弱いから強める必要がある

｢遠山、じゃあその素晴らしい運動神経で枝を取ってきてくれ
いいか？これぐらいのものが1番いい｣

｢ええで！任せときー！｣

びゅーっとなりそうなスピードで走っていった遠山を見ながら真田に声をかける

｢食べるか？いつもなら食べている頃だろう｣

そう声をかけてやると少し申し訳なさそうな顔つきで頷く

｢肉、魚、キノコ、野菜
これぐらいしかないが串に刺されているものと編みかごの中にある野菜をとって食べるといい
味付けは塩だ｣

おれは入道パパのところまでの道のりに変化がないか見に行くとしよう

｢どこに行く｣

｢少し散歩｣

心配性な真田を置いて山道を歩きに行った