推しが彼氏で彼女が推し 𝙻𝙾𝚅𝙴 𝚈𝙾𝚄 (ページ21)

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321話ページ21

ズズっと鼻をすする音が部屋に響く

｢さあ、勉強しようか｣

悲しき雰囲気を消し去るためになるべく明るい声で話す

｢へーい……｣

一気にショボーンとしたオーラを出し勉強を始めるアイツらに分からないところを教えてやる

｢俺、今回のテストでいい点取れそう……｣

勉強道具を片付けながら自信満々に言う赤也

｢そりゃ楽しみだ……ふぁ｣

大あくびをかいてしまう
体力がもうないらしい

｢はい、おやすみなさい｣

俺を軽々しく抱き上げてベッドの上に寝転がせる

｢あぁ、少し休ませてもらうよ｣

それだけ言って俺は目を閉じた

その日、夢を見た

死んだ忍が会いに来てくれたのかもしれない

幼い頃株を教えてくれていたあの景色を

私に出来るの？怖い……

方法はわかっているはずなのに行動ができない

｢自分を信じられないならお前を育てた俺を信じろ｣

その言葉で一気に安心感と勇気を貰って俺は初めて熟睡できた

そこからただ毎日忍が教えてくれたことを基礎にして会社を経営していった

1年後、その時には元の経営状態に戻るだけじゃなく少しづつ売上が伸びてきている

｢うん、体調もいいね。合格｣

至パパのミッションクリア
この家を出ていく時は健康診断に異常が一つもないことが条件

薬の服用のペースは一週間に一回
もう大丈夫

もう私も高校生
鳳凰兄さんたちもここを出て行って隣にあるU-24に移動した

私はパパたちの元を離れて海外で活動をしている
私の貯金はない
明日の食費に困ることも少なくない

だけどとっても楽しい

ウイルスや貧困、差別……可能なだけ寄付をして環境を整える
世界で１%しかいない大富豪になるにはもう少しだけど今ならドバイの4分の1を買うことも出来るぐらいには稼いだ

全て忍のおかげ
それがなければこんなに沢山の人の笑顔は見れなかった

年に4回パパたちの誕生日を祝いに帰るけどアイツらには会っていない

だけど噂はここまで届いていて世界一も果たした
よく同僚に話をしてもう聞いた、と言われる
さすが俺の仲間だ

英語｢なあ、A聞いたか？
お前のだーいすきな仲間が選手になるらしいがいい会社が見つからないらしいぞ
新しい事業に手を出したいって言ってただろ？
作るなら手伝うぜ｣

いい案だ
アイツらに最も適した環境と会社を提供するにはこれば一番楽だ

手伝ってくれる人もいる
早く飛行機の予約をとってスカウトしに行かないと
跡部財閥に取られてしまう