推しが彼氏で彼女が推し 𝙻𝙾𝚅𝙴 𝚈𝙾𝚄 (ページ3)

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303話ページ3

辺りが静かになり下番も怯えたように顔を引きつらせている

｢どうだ、田中。似てただろ？
エセを話すぐらいならしっかり勉強することだな｣

すると田中は黙り込みまるで何も無かったかのように後ろにさがった

｢むぞらしかね｣

隣に立ちそっと耳元で囁いてくる
大声で言わないということは空気は読めるらしい

｢あぁ、そうだ
気に入らないなら殺るか？
って言ってもお前らが負けるのは目に見えてるが｣

噛み付くように言葉を吐いていると誰かに口を塞がれる

｢こーら、落ち着いて。めずらしい
死んじゃうかもしれないからダメ
大丈夫、あんなのすぐに自分から破滅するよ
Aが気にする価値もない｣

奏多兄さんが上から口を抑えてきたらしい
それにしてもよく言う
兄さんだって怒ってるのに
やっぱり人を見下すのはダメだよな

｢あぁ、だな｣

テニスで負けて気を失っているヤツらを避けてその場から離れる
するとアイツらも着いてきて集団行動になった
亜久津が十次郎兄さんに威嚇をしているのはものすごく滑稽だ

そしてその日俺は図書室に行き全国の方弁を覚えることに集中した

次の日、桃城と十次郎兄さんが戦うも桃城の負け
昨日とは違い暗くなった雰囲気はメンタルの弱さがにじみでている
そんなんじゃこれから持たない

さらに次の日は負け組と勝ち組を分けるらしい
自由行動をしている奴もいるが関係ない
どうせ強くなることには変わりないから

黒部｢A、一緒に崖の上に行ってください
行きたいと言っていたでしょう｣

パパの指示通りバスで一緒に行き至パパの煽りを受け崖を登ることになった

｢桃城、乗れ｣

俺は何度も登ったから1時間もあれば登れる
体力の計算もできる
だから桃城を背負ってもアイツらについて行くだけのスピードは維持出来る

｢で、でも｣

全く登れていないくせに無駄な遠慮をしていた
めんどくさい

｢気を失わされるか落ちて死ぬか
大人しく俺に乗るか｣

｢乗ります｣

即答で遠慮がちに背中に乗ってくる
重くなんてないのに

真田｢A！お前が持つなら俺が持つ！
そんな小さなからだで！｣

そう大声を出すあいつを通り過ぎ先頭にいた越前達の方まで行く

｢なんだって、聞こえない｣

俺の様子を見たアイツらは黙り込み黙々と登り始めた
太陽が沈んできた頃、ようやく1つ山を超えた
今晩はここで過ごすしかない

魚を川から取り火を炊き寝床を確保する

柳｢随分慣れているんだな｣

火を炊く様子からそう思ったのか魚を焼いているとそんなことを言われる
まあ、慣れてなかったらおかしいよな