推しが彼氏で彼女が推し 𝙻𝙾𝚅𝙴 𝚈𝙾𝚄 (ページ15)

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315話ページ15

｢俺、千歳と別れたんだけど
やりたいことがあるんだ
テニスとは関係の無いことで……起業したい
お金は自分で用意してあるし迷惑はかけないようにする
だから、挑戦させてください｣

頭を下げ必死に頼み込む

上手くいく見込みなんてない
宛の無い道を進めば借金まみれになる可能性もある

それでもやりたい

黒部｢ダメです。許しません
お金、と言ってもそのお金は誇れるものなのですか？
責任もまだ取れない、未成年ですよ
迷惑をかけない、なんて簡単に言うべきではありません｣

否定か

それでも絶対にやりたい
もし、これが成功すればきっと、いや日本はもっと生きやすくなる

｢何があってもやりたいんです
もし、出て行けと言うなら出ていく
それぐらいの覚悟だってあります
だからどうか認めてください｣

齋藤｢ダメなものはダメです
危険も伴います、
それに仮に出て行けと言ったとしましょう
どこに行くんですか？野宿ですか？
身なりもしっかりしてない人を信じる大人はいるんですか？
1人で出来るとでも思ってるのかな？
もう、話は終わりです
出ていきなさい

貴方はまだ精神病が治ってないんです
無理をするなと言っているでしょう
もしかすると、もう頑張れなくなる病気にかかるかもしれないんです
自分の夢の前に体の心配をするべきだよ｣

そう言われ有無を言わさず追い出される

認めるまで毎日行ってやる
知識も全て、完璧にして

図書室で本を借りてこよう

黒部｢わかってくれて良かったです
やはり責任が伴う簡単では無い仕事
まずＮＯと言って冷静にさせる時間
そしてそこまで考えていたのか
それでもやりたいのか、を見分けるべきですよね｣

齋藤｢当たり前だよ、黒ベー
できることなら傷つかない道を選んで欲しいけど
それがAなら最大限護れる道を作ってあげないとね……｣

そして何日も、何週間も毎日毎日仕事が終わると同時に直談判をしに行った

秋が過ぎて冬が来た

｢……分かりました、頑張ってみなさい
協力できることはします｣

由紀夫パパのその言葉はほか3人の同意を得たも同然
やった、やっと夢に向かって頑張れる

こっそりやっていた株
少しずつだけど儲けもでてきた

起業の書類にパパの判子さえ押してくれれば起業したことになる！

｢これ！書類に判子して｣

いつも持っていた書類を目の前に出すと呆れたような笑い声が聞こえる

｢やっぱり、やってましたよ
私が許可しなかったらどうするつもりで？
ほら、ここに押したから出しにいっておいで｣

至パパの優しい声に背中を押され部屋を出た