237話 ページ37
とてつもない吐き気で目が覚めたのは雨の日だった
隣にある電子カレンダーの日にちは3日たっていることを知らせる
外は凄い風で雨の音もうるさい
ひとりが怖く感じ寒気がする
｢おう、わかった｣
ふと兄さんの声が聞こえてドアの前に人がいるのが分かった
｢もう交代時間か……ありがとな｣
十次郎兄の声が離れていく
ドアが開く音とともに竜次兄さんの姿が見える
大曲｢うおっ、起きてたのか……具合どうだ？｣
椅子をこちらに持ってきてドスンと座りながら聞かれる
｢大丈夫｣
小さな嘘を吐くがすぐに見破られる
大曲｢顔色悪いのに何言ってんだし｣
頭を掻きながらダルそうに言われるが心做しかその声は優しい
｢ちょっと気分悪い｣
小さく本当のことを言えばすぐにナースコールのようなものを押される
あ、せっかく押さないようにしてたのに
みんな寝てるとか考えねえのかな？
起こすじゃん
それにその人がもしかしたら体調悪いかもしんねえのに
そんな不満を浮かべながら込み上げる吐き気に耐える
大曲｢あ、あった……これに吐け｣
黒い袋を渡されるので一応受け取る
入江｢A！｣
慌てた様子で入ってきたのはパパと奏多兄さんだ
入江｢胃押すからね、いい？｣
許可をする間もなく胃を押されて吐き気が最高潮になる
だけどみんなの前で吐きたくないので意地でも耐える
吐くなんてかっこ悪い姿見せたくない
A｢うっ、｣
気持ち悪いのを必死に耐えるのに奏多兄にもっと押される
いくら口を袋で隠しているとはいえ本当に嫌だ
口の中に広がる胃酸の味と気持ち悪い食感を口の中に溜める
飲み込めっ、飲み込め飲み込め……
だけどあとからまた混み上がる吐き気に口がはち切れそうになるが頑張って飲み込む
部屋に飲み込んだ音が響き達成感が込み上がる
よっし、よかった
柘植｢おい！なんで飲み込んだ！｣
齋藤｢もー！ダメ！飲み込んじゃダメでしょ！｣
黒部｢やりやがった…入江くんもっと押しましょう｣
大曲｢ばか！なんで飲み込んだんだし！｣
入江｢あぁ！嘘だぁぁ！もう！A！なんで！｣
部屋が一気にうるさくなる
これでも一応何とかなんだぞ
こっちの気持ちも考えろ
そんな思いも虚しく胃をさらに押されて勢いよく口から溢れる
｢ううっ、おえっ、｣
一度出たら止まらない
吐き続ける
やっと納まり片付け、口を洗い…疲れた頃には怒った顔の
なんでだ？
口の匂いは気にならないが一応マスクをつける
｢どうしたんだ？そんな怒って｣
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I like choco. - うわ！ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2020年9月10日 19時) (
レス) id: 21ebe68129 (このIDを非表示/違反報告)
梅キュラゲ - 面白くてついつい Part 1から全部読んでしまいました。これからも頑張ってください。 (2020年9月10日 19時) (レス) id: 06776298a9 (このIDを非表示/違反報告)
Ilikechoco - 更新遅れて本当にごめんなさい！ (2020年8月24日 14時) (レス) id: 9d45e28228 (このIDを非表示/違反報告)
におー - 新しいの来たァァァァァァァ!!!!楽しみにしとります(*'▽') (2020年8月23日 21時) (レス) id: 320a3f9e75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I like choco. | 作成日時：2020年8月23日 19時
