233話 ページ33
入江｢A！？｣
急いで駆け寄る
入江｢まって、今すぐ人を呼ぶから｣
額に汗をびっしょりと光らすAにそう告げると手を掴まれる
すごい汗だ
A｢や、だっ……うっ…｣
必死に訴えるその姿を見ると人を呼ぶのをやめてしまう
入江｢いつからこんなことに？｣
なるべく冷静に聞くと昨日の夜からと途切れ途切れに伝えられる
入江｢まさか一睡も？！｣
おもわずそう問う
何も返事をしないのは寝てないことを表していた
入江｢大丈夫、いいよ吐いて……バケツ持ってくるね｣
部屋の裏側にある黒い袋を急いで取りAの口元に当てる
入江｢いい？胃を押すよ、我慢しないで、飲み込んじゃダメだよ｣
前に飲み込んだことがあるため釘を刺す
下から上へ……押し上げると吐き出すのが分かった
｢うっぅ……ゴホッ……おえっ…｣
吐き出せたのか口を抑えてティッシュで口を拭きながら袋を結んで手に抱えている
入江｢そこでうがいして水飲もか｣
手から袋を奪い背中を押す
ねえ、A
なんでそのティッシュに赤い色がついてるの？
なんで血がついてるの
そんな言葉を飲み込み水をコップに入れて待つ
ピコン、ピコン…
鳴り響く通知音に気づきスマホを除く
どれもあの母親からのものだ
これが原因なんだね…
こんなになるなんて…
スマホには300を優に超えた通知が書いてある
しつこい
Aは喋らず水を飲む
入江｢スマホ預かっとくね｣
Aは静かに頷き背を向ける
｢！うっ｣
ケホッと咳き込んで出たのは痰でも唾でもない
血だった
目の前で吐かれたんだ聞いてもいいよね
｢なんで、血が出てるんだい
このままじゃ、いつか余命宣告されるよ｣
そう告げても背を向けるのはなんで？
1週間経つのは早いらしい
黒部｢話はつきました、入江くんありがとう
たまたま外出日だったなんて運がよかった
このままこれで帰りますか？｣
迎えの車をさしながら言うので頷き車に乗り込む
皆、変わり果てたAに驚きながらも楽しく過ごせていた
｢A！出てきなさい！｣
ある日Aの母親たちが乗り込んできた
俺たちは遠くで見ることしか出来ない
Aに止められたからだ
Aは冷たく心のない人間のようになる
母親の目の前に立ったと思うと冷たく言い張った
｢失せろ、邪魔だ。あなたは私を捨てた
それなら私もあなたを捨てる
二度と関わるな
あなたの毒は私
私の毒はおまえだ
私はあなたを母親と認めない
去ねよ｣
その姿はまるでバケモノ
上に立つ心無いバケモノ
やっぱりAは社長の器だ
そう改めて確信した
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I like choco. - うわ！ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2020年9月10日 19時) (
レス) id: 21ebe68129 (このIDを非表示/違反報告)
梅キュラゲ - 面白くてついつい Part 1から全部読んでしまいました。これからも頑張ってください。 (2020年9月10日 19時) (レス) id: 06776298a9 (このIDを非表示/違反報告)
Ilikechoco - 更新遅れて本当にごめんなさい！ (2020年8月24日 14時) (レス) id: 9d45e28228 (このIDを非表示/違反報告)
におー - 新しいの来たァァァァァァァ!!!!楽しみにしとります(*'▽') (2020年8月23日 21時) (レス) id: 320a3f9e75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I like choco. | 作成日時：2020年8月23日 19時
