224話 ページ24
｢辛いか｣
サムライの少し独特な声が耳に入り自分の世界から抜け出すことが出来た
｢あぁ｣
小さく返事をすれば頭に手をポンと置かれた
それは優しくて包んでくれるような感じがして子供みたいに泣きたくなった
涙が出るわけでもないのに
｢見れるなら見ろ｣
そう告げると手は離れた
サムライの土色の綺麗な目は地面のように真っ直ぐコートを見ていた
土のように固い意思があるようにみえた
そんな姿を見ていると悔やんでいた自分が恥ずかしかった
幸村と越前の試合は瞬きすら許されない迫力があった
ベンチからはおチビもういいよ！と叫ぶ声が聞こえる
そんな声も風に流し集中する
まるで自分があのコートに立っているようだ
心臓が痛い
｢A、俺たちはあいつらのライバルだ
ライバルだから挑発だって出来る
コートの方に行って何かを伝えることだって出来る｣
独特の声で意識が戻る
跡部は腕を組み俺の隣に立っていた
俺、気配に気づかねえぐらい見入ってたのか
そう思いながら跡部の言葉を理解する
｢俺はお前になんの練習をさせたんだ
練習を思い出しやがれ、部長が練習忘れてるわけねえよな、って言ってやりてぇ｣
拳を握りしめコートを見ながら言う
ありがとう、跡部
言葉には出せず心でつぶやく
跡部は一瞬こっちを見たが直ぐに視線を戻す
小さく鼻で笑ったと思えば手を戻しゆっくり去ろうとする姿が見えた
｢俺もお前もライバルズだ
俺様がお前の口になってやる｣
そう残し階段を降りていった
あんの野郎……
耳がジンジンと暑くなった気がする
多分それは熱中症のせいだ
跡部が幸村の方に行く姿が必然的に見える
幸村は席上をキョロキョロと見たと思えば俺の方を見てニコリと笑いながら頷いた
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I like choco. - うわ！ありがとうございます！これからも頑張ります！ (2020年9月10日 19時) (
レス) id: 21ebe68129 (このIDを非表示/違反報告)
梅キュラゲ - 面白くてついつい Part 1から全部読んでしまいました。これからも頑張ってください。 (2020年9月10日 19時) (レス) id: 06776298a9 (このIDを非表示/違反報告)
Ilikechoco - 更新遅れて本当にごめんなさい！ (2020年8月24日 14時) (レス) id: 9d45e28228 (このIDを非表示/違反報告)
におー - 新しいの来たァァァァァァァ!!!!楽しみにしとります(*'▽') (2020年8月23日 21時) (レス) id: 320a3f9e75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I like choco. | 作成日時：2020年8月23日 19時
