盗聴機越しの声 ページ15
藤宮(諸伏)サイド
何故そんな事をしたのかというと、そんな透…嫌、ゼロの様子から見るに、恐らくあの女の子の手首を掴んだ際に、
″盗聴機″を仕掛けたんだろうと一瞬で察したからだった。
それは多分コナン君も同じようで、バックヤードに着くや否や、ゼロに渡されたイヤホンを耳に装着していた。
そんなコナン君の様子を見て「やっぱりこの子は″普通の子″とは違うんだな」なんて考えながら、俺もゼロに渡されたイヤホンを耳に当てた。
正直言って″好きな女の子″の様子を、盗聴機で盗み聞きするなんて、まるでストーカーのようだとは思ったけど、
こうでもしないとあの子は追いかけて可笑しい所をついて問い詰めたとしても、事情なんて話してくれないだろうし、
仕方がないと思って腹を括った。
それから数分は女の子の足音と街行く人達の声や車の音以外は何も聞こえなかったけど、ドンッという音と共に
『〈ワッ⁉︎イッ‼︎〉』
というあの女の子の悲鳴が聞こえてきた。
※此処から先盗聴機から聞こえてくる声は、〈〉の中に表記します。
その後は息を呑むような声も聞こえた為、それを聞いた俺達はやっぱりあの子は何かの事件に巻き込まれていると確定させ、
直ぐに今の女の子の場所を頭の中で軽く推理して、誰が言うわけでもなく、手分けして探そうとしたその時…
?「〈やぁ久しぶりだねぇ。″僕の″Aちゃ〜ん♪〉」
そんな声が聞こえて、一瞬でその場の空気は極寒の真冬のような冷たさになったと思う。そのくらい血の気が引いたんだ。
何故ならその盗聴機から聞こえてきた声は…″俺の声″に全くもって瓜二つだったからだ。
だけど俺は此処にいる為、この盗聴機から聞こえてくる声の主は、店にあの女の子が来た時の様子も合わせると、
″顔も″俺にソックリな男なんじゃないかと直ぐに推理出来た。
そしてその声の主が、
?「〈僕は君がこの米花町に引っ越すって事をある人からたまたま聞いた時からずっと探してたんだよぉ?
恋人である僕を置いて黙ってこんな所に来たあげく、他の男と…しかも俺と瓜二つの野郎なんかといるなんて…いけない子だね〜?
これは少々…″お仕置き″が必要かなぁ?〉」
何て言ってる事から、女の子をストーカーしていて、あの女の子はそのストーカーの正体に気づいていたんじゃないかとも考えた。
そう考えれば初めて会った俺に対して、あんなに恐怖の対象を見るような目を向けていたのも理解ができるからだ。
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キャメル(プロフ) - 三日月さん» 様。応援の言葉をありがとうございます。私は神ではないですが、そこまで喜んでくれたなら何よりです!これからも是非ご愛読くださると嬉しいです! (2021年9月21日 11時) (レス) id: 94e10f3f95 (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - めちゃくちゃ面白いです!! え?作者様、神ですか…? 更新楽しみにしてます!応援してます!! (2021年9月6日 0時) (レス) id: ac33112f85 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - 塩キャラメルしか勝たんさん» 様。嬉しいお言葉をありがとうございます!かなりのんびりですが地道にやってますので、これからも応援よろしくお願いします!! (2021年8月17日 16時) (レス) id: 94e10f3f95 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメルしか勝たん - とーーーっても面白いです!更新頑張って下さい! (2021年8月2日 18時) (レス) id: e25b0a7159 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル014(プロフ) - asamanoaporoさん» 様。この度は貴重なコメントをしてくださっただけでなく、この作品の更新を楽しみにして下さり、ありがとうございます!また、本編更新が遅くて申し訳ありません。次の更新はなるべく早く出来るように頑張ります…( ; ; ) (2021年4月19日 21時) (レス) id: 94e10f3f95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キャラメル014 | 作成日時:2021年3月19日 17時