気持ちの正体 ページ14
藤宮(諸伏)サイド
そう思いながらあの後電話を切ったと思ったら、一つ息を吐くような動きをした後、店に入ってきて直ぐそんな事を言った女の子を見つめたけど、
俺達に目も合わせようとしない女の子にそんな気持ちが通じる訳もなく、女の子は相変わらず早口で蘭さん達に間髪入れずに色々言ったかと思えば、
最後に『さようなら』と更に嘘の笑顔を濃くしながら言って去ろうとした。
そんな女の子を見た俺は居ても立っても居らず、その女の子の背中に手を伸ばしたけど、恐怖の対象である俺に触られたりしたらどうなるか…と思うと、
その手は途中で止まってしまった。
俺がそんな事をしてる間にもまるでスモーローションがかかったように、ゆっくりかつ確実に目の前の背中は遠ざかっていく。
それでも動かない自分の身体とは反対に、どんどん焦っていく気持ちに拍車が掛かりそうだと思ったその瞬間…。
ガシッ
安室「…その仕事…どうしても行かなければならないんですか?」
ゼロ…嫌、透がその女の子の手首を掴んで止めた。
その止めた張本人は、『急いでる』と言った女の子の言葉を無視してそんな事を言っているけど、その時の表情は、
今までどんな事件に関わってきた時のよりも、かなり真剣な顔をして言っていた為、そんな透を見た俺は…
藤宮(諸伏)《ゼロ…やっぱり″お前も″なんだな…。只でさえ俺にはリーチがあるっていうのに、″ライバル″がお前じゃあ…負けてしまうかもな…。》
ズキン
藤宮(諸伏)「…。」
なんて事を思っていた。
それは俺が″自分の気持ち″に気づいてしまった″証拠″なんだけど、いざ気がついたら目の前の光景や、
今思った事を頭の中で復唱する度にそんな風にさっきよりも酷い痛みが胸を襲う事から、俺は初対面の女の子に″恋″をしただけでなく、
早くもゾッコンなんだなと思って、思わず自傷気味に笑ってしまった。
安室?「行くぞ」
藤宮(諸伏)「…了解」
そんな俺を知ってか知らずか、気持ちの整理を頭の中でしている間にも話は進んでいたらしく、気がついたら女の子はもう既に店から出て行った後だった。
そして蘭さん達には何とか誤魔化した後なのか、半分放心状態の俺に、ゼロはゼロらしい口調になりながら俺にそう言ってきて、
バックヤードの方に歩き出したから、俺はそれにそう簡単に答えてからついて行った。
それは俺だけではなく、勿論コナン君も一緒だった。
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キャメル(プロフ) - 三日月さん» 様。応援の言葉をありがとうございます。私は神ではないですが、そこまで喜んでくれたなら何よりです!これからも是非ご愛読くださると嬉しいです! (2021年9月21日 11時) (レス) id: 94e10f3f95 (このIDを非表示/違反報告)
三日月 - めちゃくちゃ面白いです!! え?作者様、神ですか…? 更新楽しみにしてます!応援してます!! (2021年9月6日 0時) (レス) id: ac33112f85 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - 塩キャラメルしか勝たんさん» 様。嬉しいお言葉をありがとうございます!かなりのんびりですが地道にやってますので、これからも応援よろしくお願いします!! (2021年8月17日 16時) (レス) id: 94e10f3f95 (このIDを非表示/違反報告)
塩キャラメルしか勝たん - とーーーっても面白いです!更新頑張って下さい! (2021年8月2日 18時) (レス) id: e25b0a7159 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル014(プロフ) - asamanoaporoさん» 様。この度は貴重なコメントをしてくださっただけでなく、この作品の更新を楽しみにして下さり、ありがとうございます!また、本編更新が遅くて申し訳ありません。次の更新はなるべく早く出来るように頑張ります…( ; ; ) (2021年4月19日 21時) (レス) id: 94e10f3f95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キャラメル014 | 作成日時:2021年3月19日 17時