文豪たちの反応調査記録 其の肆

「月が綺麗ですね」と云ってみた (俺の愛は前野さんのためにある様リクエスト) ページ43

「月が綺麗ですね」=愛しています。




中島敦


「本当ですね」

彼は意味を知らないので、普通に返します。
今日は大きな満月が空に浮かんでいました。
此の思いが伝わるのは、もう少し先になりそうですね。



太宰治


「ふふふ、私、死んでもいいよ」

月が綺麗ですね、に返すのによく使われる言葉です。
でも、彼はよく云っているので一瞬理解が遅れてしまいました。



江戸川乱歩


「解りにくいからちゃんと云ってよ」

彼は使い古された言葉より、貴方が必死に知恵を絞って考えた言葉が聞きたいんです。
「・・・貴方の隣が、一番幸せです」と笑うと「僕もだよ」と貴方に接吻をしました。



芥川龍之介


「月など見えぬが・・・」

彼も意味を知りません。
其の日は生憎の曇り空だったので、見えない月を綺麗だと云う貴方に首を傾げます。



中原中也


「月は手前に逢った日からずっと綺麗だ」

まぁ、つまりは一目惚れです。
貴方から云われたことを悔しく思い乍も、貴方が愛していてくれたことを知って嬉しそうです。



フョードル・ドストエフスキー


「・・・あぁ、日本の云い回しでありましたね。どういう意味でしたっけ」

貴方の口からきちんと聞きたくて、忘れてしまった振りをします。
「愛して、ます」と云うと「僕も愛していますよ」と笑いました。



ゲスト


国木田独歩


「今日の降水率は昼夜共に零。お陰でくっきりと月が見えるな」

意味は知っていますが、天然なので気づきません。
貴方がどういう意図で其の言葉を口にしたかを知ると、顔を真っ赤にしますよ。



谷崎潤一郎


「えっと・・・どっちの意味、かな」

普通に月が綺麗だと云いたいのか否かで悩んだ結果、貴方に直接聞きます。
「さぁね」と云う貴方を見て「僕は愛してるよ」と云いました。
へたれはどこへ行ったんでしょうね。

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