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「対象を閉じ込める系の血鬼術。そいつの頸を落とせば、とりあえずは解決……任務達成ですかね」
「だろうな。あとはこの森に残ってる鬼共を狩れば終わりだろ」
「あーん残飯処理〜」
「鬼を残飯呼ばわりかよ……。まあよかったな。ゴミ同士お似合いじゃねぇか」
「待ってくださいなにがいいんです? ゴミ同士って言い方酷すぎでは? 終いには泣くぞ??」
「勝手にしろ」
「冷たい。真冬並みに冷たい」
兎にも角にも、鬼の血鬼術のなんたるかはわかった。細かいところはわかんないけど、大まかな部分さえわかればなんとかなる……と思う。
「うーん……幻術、というより錯乱? 混乱? ですかねぇ。いや幻術の線も捨てきれませんけど、どちらかというとそっちが強い様、な……!?」
「……ああ、居やがるな」
感じた視線に振り向けば、先輩は声のトーンを落としてそう言った。振り向いた先には二つのまあるい目。ぎらぎら光るそれはこちらを見据えて、ふい、と暗闇に消えて行った。あ、逃げられる。
「逃すか……!」
「ちょ、先輩罠だったらどうするんで!?」
逃すまいと駆け出した先輩の背を追って私も走る。ああもう本当に罠だったらどうするつもり!? 頭いいと思ったけど実は単細胞なわけ!?
どうしようどうしよう、視界の隅に別の鬼がいた。はわわわわこれどうするべきかな!? あいつ多分こっちに気づいてないけど後々邪魔になるなら今の内に殺しといた方がいいかな……!?
…………待って。例えば、もし。この森にいる人間が、私達だけじゃなかったとしたら。楽観的なのか悲観的なのかわかりゃしないけど、もしこの森にまだ生きた人がいるのなら。
今見かけた鬼は、その人を喰うかもしれない?
「っだー! もう!!」
鬼を見かけてから答えを弾き出すまでにかかった時間は二秒も経ってないと思う。ギャリッ、と音を立てて無理やり方向転換し、見かけた鬼に真っしぐら。鬼が気づいた頃には私との距離はあと六歩程。
「なんっ……!?」
驚いた鬼は咄嗟のことで動けないご様子。無意識に顔を庇おうとしたのか右腕を出したけど、そんなの特に意味は成さないでしょうに。なんて頭の片隅で思いながら、刀の柄に手をかけ息を吸い込んだ。
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ユズヒ(プロフ) - たまごさんさん» おっとそのパターンは予測してなかったですね……? 美味しく味付けして食べてくださいね……。おやすみなさい!たまごさんさん(?)も風邪など引かれないようお気をつけて!! (2020年2月5日 23時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
たまごさん(プロフ) - ではおやすみなさい、体調崩されないようお気をつけください! (2020年2月5日 23時) (レス) id: e187441fa2 (このIDを非表示/違反報告)
たまごさん(プロフ) - くそぅ…間に合わなかったか…Rainさんもっと語彙力落としてください(失礼)それかユズヒさんを食べます! (2020年2月5日 23時) (レス) id: e187441fa2 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - たまごさんさん» コメントありがとうございます! 因みにRainさんの語彙力は私が美味しく頂いたのでカケラも残っておりません。大変美味しゅうございました……(カップラーメンを眺めながら) (2020年2月5日 23時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - 夜美さん» いくら言葉があれでも声がよければ全て良しとなる…ここはそんな世界……。とんでもないです! 明日を楽しみにしててくださいね……!! (2020年2月5日 23時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年12月8日 16時