【鬼滅の刃】神様の巫女 陸

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そう言われても、ここに来る間に刀は隠の人に没収されてしまったから手元に無いんだよね。私の刀は何処。
なんて思っていたら、本当に「さささっ」って感じで隠の人が出てきた。手には私の刀がふた振り。どうやら持ってきてくれたらしい。
っていうか、いつになったら腕縛ってる縄は解かれるのだろうか。警戒されてるってことか。ってことはまだ暫くは無理だな。


「あ、えっとそっちの打刀の方です。“神の呼吸”と息吹で使う刀」

「義勇」

「はっ」


返事をするや否や立ち上がった義勇さんが隠の人の所に行って私の刀を手に取った。あの刀人に触らせるのなにげに初めてな気がする。


「抜いてみても？」

「どうぞ」


お館様の言葉に返事をして再度刀を持った義勇さんを見る。その骨張った手が柄を握ってぐっと力を入れて引き抜こうと、して。


「……？」

「どうかしたかい？」

「……刀が、抜けません」

「……はい？」


刀が抜けない、とは。
どういうこと？ 視界の中で何度も刀を抜こうとする義勇さんに疑問符を浮かべながら眉を寄せる。え、あの刀、それこそ今日使ったんだよ？ 鬼の女の子と戦うのに、めちゃくちゃ不本意だけど使って勝ったんだけど…………その刀が抜けない？


「……どういうことだろうね」

「冨岡、ちょっと貸してみろ」

「っあﾞー！！ ちょ、ま！！ 美丈夫は！！ 触るな！！ やめ、ちょっと待ってお願いします触らないで！！」

「なんだよお前さっきから！ 地味にうるせぇ奴だな！！ 褒めてんのか貶してんのかどっちだ！」

「“地味”と“うるさい”って両立しない言葉だと思うんですよ！！ あと褒めてるわけないやろがい！！」


いやほんとちょっと美丈夫には触られたくない！ あの刀だけじゃなくて脇差も触られたくないけどとりあえずやめてほしい！！


「ん……なんだ、本当に抜けねぇじゃねぇか」


私の懇願も虚しく、あっさりとあのクソ美丈夫は触りやがった。そんでもって筋肉ダルマなクソ美丈夫は柄を持って引いてみて、抜けないとわかるとそう言ってまたぐぬぬぬぬと刀を鞘から引き抜こうと試みている。
クソ美丈夫に刀を触られてるって事実に本当に参りそうだけれども、それよりあの筋肉ダルマでも抜けないってなんだ。私簡単に抜けたんだけど。

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