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ほぼ反射だった。第六感というか、なんというか。とにかくこれはどう考えてもまずい、死ぬ、と頭の中でガンガン警報が鳴り響いて。
高く跳んではきっと掠ったり、下手をしたら攻撃が当たってしまうだろうから、横に転がる様に、その場を離脱する。
「──血鬼術・
耳が痛くなる程鋭い音。それが空気を切る音なんて誰が想像するというのか。切るっていうかあれは突くだな。
避けたと同時に、視界には淡いオレンジの三角錐が出来上がっていた。向日葵の形をした模様から大量の糸が上目掛けて伸びて、それが重なって束になって三角錐を作り上げている。
ざざっと靴を擦らせながら体勢低めでその場に留まりオレンジの塊を見つめる。よく見れば糸同士が重なって、糸同士がぶつかったであろう場所は結び目ができていて。
…………なんじゃありゃ。いやいやあんなんありかよ。無しだわ無しって言えよマジかよ。
ようやっと視線に慣れてきたというのにこの仕打ちとは、なんだあれか、神は死んだってやつか。馬鹿野郎ふざけんな。滅べよ血鬼術。
「やめたわ」
ぼんやりとした声が聞こえて、見てみればそこには女の子。いやまあそうだよね。この場には私とあんたしかいないものね。
「ああ、やめた。もういいわ。お人形さんにしようとできるだけ傷はつけない様にしていたけれど、やめたわ。累に服を選んでもらう約束だったけど予定変更。貴方は今、確実にここで殺す」
視線に含む殺気の量が増えた。わぁおすごい。なんとか三分クッキングみたい。言ってる場合か。っていうか今まで手加減してたんすかそうですか。
けどまあ、なんと言いますか。
視線に慣れたとは言ったもののやっぱり、“その視線”の方が戦いやすいかな。
ぶらりと揺れる左腕の感覚はやっぱりないまま。どこかで固定できればいいけど固定するものも暇もない。最悪。正直言って邪魔なのよねこれ。斬り落と…………やめよう。さすがにそれは早計ってもんだろ。
「遊び相手じゃなくて敵認定していただきどうも。そんじゃ私からも一言」
立ち上がってくるりと刀を回す。刀の鍔が小指に来る様にして、手首を捻って切っ先を女の子に向けた。
「
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ユズヒ(プロフ) - 神月莉乃さん» コメントありがとうございます! すみません、こっちの準備を整えてからパスワードを外そうと思い遅くなってしまいました…。もうパスワード保護は外して全体公開にしているのでぜひ読んでくださいね!! (2019年12月8日 16時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
神月莉乃(プロフ) - もしかして続編ってパスワードかけてるやつですか?出来ればパスワード外してくれると嬉しいです!身勝手なお願いをしてしまい申し訳ないです…続編を出すならパスワードなしにしてもらえると嬉しいです!更新待ってます! (2019年12月8日 16時) (レス) id: a219a83582 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - 夜美さん» いいですよねあのシーン。私も好きです! 柱からしてみれば本当に得体の知れない存在ですからね…。人間分からないものは恐れてしまうもの…。あの二人のあのシーンを書きたいがために頑張りましたとも!! 優しい!! 世界!! (2019年12月2日 0時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
夜美 - 一日に何回コメントするのこの馬鹿夜美は。でも、生殺与奪の権って言葉が出てきて、あー!ってなりました。そのシーン好きなんです。柱から恐れられる(?)って相当だなぁ。そしてやっと帰ったぞ蝶屋敷ぃ!優しい人が多いねえ。紋逸と権八郎はナイス! (2019年12月1日 23時) (携帯から) (レス) id: 17b8cf45ac (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - jolinさん» コメントありがとうございます!! ハマってくれて嬉しいです!これからもよろしくお願いしますー!! (2019年12月1日 20時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:
作成日時:2019年10月22日 21時