【鬼滅の刃】神様の巫女 伍

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「鴉からの説明だと、この藤の花の家紋の家は、前に鬼狩りに命を救われた一族なんだって。だから、鬼狩りであれば無償で尽くしてくれる。そう聞いたけど、これほど持て成してくれるなんて……」

「前に命を救っただけでこの扱いってすごいよねぇ……」

「“だけ”ってことはないんじゃねぇの？」


上から炭治郎、私、善逸の言葉である。
炭治郎が言った通り、藤の花の家紋の家というのはそういうものらしい。だから鬼殺隊の人達は色んなところに鬼狩りに行けるのね。毎度毎度野宿とかじゃないなら安心だわ。
……そういやあの粘着質ストーカー、村には藤の花の家紋の家とか一切無かったけど宿とかどうしたんだろう。あそこ小さい村だから民宿とかも無いのよね。他のとこに行ったのかな。


「鬼殺隊がどれほどのもんよ」

「そういう伊之助は、どうして鬼殺隊に入ったんだ？」

「ああ？」

「何かきっかけはあるんだろう？」

「っていうかどうやって鬼殺隊のこと知ったのよ」


こいつにも育手がいるんだろうか。いやでもそんな感じしないしな。なんなんだろう。


「鬼殺隊の隊員って奴が、俺の山の中に来やがったから、力比べして刀を奪ってやった」

「なんてことを」


善逸と炭治郎の顔は見えないけど、絶対私と同じ様な顔してると思う。鬼殺隊の刀ってつまりは日輪刀でしょ？ 日輪刀って持ったその人に合わせて刀の色が変わるから、要するにその人専用の刀ってことで…………かわいそうに。
ってかこいつ二刀流だっからまさかとは思うけど二本奪ったとか言わないでしょうね？ 言いそうだな？？


「そしたら、最終選別ってのがあることや、鬼の存在について聞いてよぉ」

「それで伊之助は鬼殺隊に入ったのか。っていうか、伊之助も俺やAと同じ、山育ちなんだな」

「そういやそだね」

「お前らと一緒にすんなよ。俺には親も兄弟もいねぇぜ。他の生き物との力比べだけが、俺の唯一の楽しみ、だ！」


言いながら、伊之助は頭上に置いてあった猪頭を被った。被る必要あった？


「そうか、そうかぁ……」

「おおっと竈門隊長、なぜだか悲しそうです」

「お前のそれはなんなんだよ」

「ダメ？」

「駄目じゃないけどさ」


ボケにツッコミをくれるなんて善逸は本当にいい奴だと思うんですよ。

第48話 箱の少女とあははのうふふ→←＊

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