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「あなた、どこの子?」
「え……あ、その、どこの子、ってわけじゃないんですけど……」
……なんか、クソ美丈夫に店に売られる道中ですって言うのかなり嫌だな。
「私、わたしっ、あの男の人に、お店に売られる予定で……あの、銀色の髪の背の高い……」
よよよ、とわざとらしく嘘泣きをして、前を歩くクソ美丈夫を指差した。善逸からなんか引いたような視線を感じるけど無視。お前そういうとこだぞ、とか知らない。自分の顔の良さを利用して何が悪いのか。
「あああれね。旦那さん、ちょっと、そこの旦那さん」
「クソ美丈……宇髄さ〜ん」
さすがにクソ美丈夫って言うのは堪えた。人前なので。一応。
それにしてもこのおばさん、わざととはいえ私の(嘘)泣きになんの表情も変えなかった。くっ……まだまだ修行不足か……!
くるりと振り返ったクソ美丈夫は、視線だけで「何してんだ」と言ってきた。いやそんなの私が聞きたい。なんだこの状況。怖っ。
おばさん……おばさまに連れられて、善逸共々クソ美丈夫に歩いて行く。正面に美丈夫がいる。なんて最悪な光景。
「この子、旦那さんのお連れ?」
「ああそうだが……あんた確か、かたお屋の」
かたお屋。聞いたことないな。さっきクソ美丈夫が言ってた、お嫁さんが潜入してるお店の名前にはなかった店名だ。
「ええそう。かたお屋のやり手
え。ちょっとこれは予定外。
「……かたお屋さんで? これまたどうして」
「だってこの子、可愛いじゃない。きっとすぐにお客がつくわ」
「そうだなぁ……」
クソ美丈夫が悩んでいる。いやそうだよな。だって私、さっきの候補三つのお店……
炭治郎と伊之助もクソ美丈夫の顔を伺っていて、かたお屋のやり手さんはにこにこと笑っている。私も少し脳みそを回転。諸々考えてみる。三つの妓楼以外の所。鬼の行動範囲。時間。警戒。これは、うーん……。
「……ごめんなさい、ちょっとあの人と話してきていいですか?」
「あら、構わないわよ。なんなら説得してきてちょうだいな」
「頑張ります」
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ユズヒ(プロフ) - 星さん» コメントありがとうございます! そして大変長らくお待たせ致しました! 更新並びに続編に移行致しましたので、ぜひお読み頂ければと思います!! (4月2日 2時) (レス) id: 53b9d42206 (このIDを非表示/違反報告)
星 - ...よし、もう一周見てくるか! (4月1日 12時) (レス) @page46 id: 807ae8eba5 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - maiさん» コメントありがとうございます! わーー!!頑張ります!!!! (10月13日 22時) (レス) id: 53b9d42206 (このIDを非表示/違反報告)
mai(プロフ) - 更新楽しみにしています😭 (10月12日 13時) (レス) @page46 id: bfff11b4c7 (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - 青白の狼さん» コメントありがとうございます!そして録の更新を怠ってしまい申し訳ありません…!先程、録を更新してまいりました。夢主を指名した鬼の設定はまだ明かせませんが、今までに出てきた鬼や人の設定を追加しておりますので、お時間ある時にお読み頂ければ幸いです〜! (6月5日 23時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:
作成日時:2022年11月14日 3時