＊ ページ35
「…………こころがいたい」
「騒がしいと思ったらいきなりジメジメしおって……忙しい奴じゃの」
この話ができる程の信頼関係ではない、と言われたら、ぐうの音も出ない。さっき口にしたことを考えている時点で、きっと私は善逸をそこまで信頼しきれてはいない。そこまで、というか、その点に於いては、というか。
それを自覚して、なんだか更に虚しくなった。
「儂は言わんで良かったと思うぞ。お主が言うように、普通は信じんじゃろそういうの。下手にそういうこと言って、関係に罅が入るのも如何なもんかと思うしなぁ」
それを望んどるなら良いかもしれんが、なんて付け加えて、神様はお茶をズズッと啜った。
望んでるわけなんてない。それが嫌だったから言わなかったっていうのもある。今の関係を壊したくないのは間違いなく事実なんだから。
「で、なに。お主の報告したいことってそれのこと？ 終わったんならほれ、茶請けの金つばでも食っとけ」
「違う。違くないけど違う。もう一つある。あと金つばは食べる」
「おー、食え食え」
そう言いながら、神様は自分の分の金つばをこっちに寄越してきた。二つ並んだ美味しそうな金つば。茶柱が立った緑茶。
「……兄さんに会った」
「うん？ にいさん？ お主兄なんかおったん？」
「前世でね。その兄さんに、会った」
「…………は？」
「兄さん、前世の記憶があって、鬼になってた。鬼舞辻の名前口にしてて、呪いは自分で解いたんだって。どれくらい鬼として生きてきたのかは知らないけど、すっごい強くて、私歯が立たなくて……」
「まてまてまてまて。待て。一度に言われると分からん。混乱するから。え、なに？ 兄？ 悪いんじゃがもう一度最初から、分かりやすく言ってくれる？」
片手で顔を抑えて待ったをかけてくる神様に、ふむ、と考える。分かりやすく、か……。それならばまず、前世の話からした方がいいかもしれないな。で、無限列車の話に移行しよう。よし決定。
「えぇ〜っと、私前世で兄さんに殺されたんだけど」
「なんでいきなりそういうの持ってくるかなお主〜〜〜〜〜〜！！！」
両手で顔を覆ってワッと嘆き始めた神様に首を捻った。何がどうしてこうなってんだ？？
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ユズヒ(プロフ) - 莉久さん» たくさんコメントありがとうございます！！嬉しい！！やっとこさ本格的に遊郭編に入りました！宇髄さんと絡ませるの楽しいので、もっと沢山絡ませたい欲が…ぐへへ…。いつもありがとうございます！励みになりますー！！ (2022年11月7日 22時) (
レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
莉久 - もう何回のコメントしてすいません！だけど！私の脳がテンションを抑えきれなくてｯ！ｱｧｧｧｯｯ本格的に遊郭編突入！楽しみでしかない…✨✨文章がっ、溢れ出るこの文才…✨主ちゃんが可愛すぎます…宇隨さんとの絡み最高です！更新頑張ってください！ (2022年11月7日 22時) (レス) @page48 id: 28e45e7c9c (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - 莉久さん» コメントありがとうございます！！やっと宇髄さん出せました！！これから遊郭編頑張っていきますー！！いいですよね宇髄さん。これからたくさん夢主に絡ませるぞ！嬉しいお言葉を文字数いっぱい…いつもありがとうございます…！これからも宜しくお願いしますー！！ (2022年10月26日 2時) (レス) @page42 id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
莉久 - 久しぶりの更新有難う御座いますｯｯｯ寝る前に読もうとしたらテンション爆上がりなりました!!!⤴主ちゃん遊郭編楽しみだなー！やっぱ宇髄さんのキャラいいわぁ…好きィ(^^ω)毎回話の内容の尊さに悶え 、文才の差を噛み締めております。続き楽しみです！…字数ｩｯ (2022年10月26日 0時) (レス) @page42 id: 28e45e7c9c (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - 莉久さん» コメントありがとうございます！嬉しいお言葉の数々、ベッドの上で転げ回りながら感受致しました！本当にありがとうございます…！マイペースなノロノロ更新ですが、末永くお付き合い頂ければ幸いです〜！！ (2022年9月27日 0時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユズヒ
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作成日時：2021年12月20日 0時
