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「なんだ、その姿は」
「ああこれ? ふふっ、いいでしょ。いやぁ〜実はさ、やっとあの子が見つかってさ。お揃いにしたんだ。羨ましい? 羨ましいだろ? あの子に手出したら殺すよ?」
からから笑いつつ立ち上がり、パンパンと両手を叩いて埃を落とす男、祷折は、周りにいる炭治郎達に目をやった。猗窩座と対峙している煉獄。それを離れたところで見る炭治郎と伊之助。煉獄はこちらを見つつも猗窩座への警戒は解いていない。慣れてるのかな、と祷折は考えた。
「出さん。さっさとどこかに行け。邪魔だ」
「何イラついてんの? イラつきたいのはこっちの方なんだけど。せっかくの逢瀬だっていうのに、ドカドカドカドカ馬鹿みたいに騒ぎ立ててさ。これだから風情が無い脳筋は嫌いなんだよ」
はあやれやれと肩を竦めて遠慮無しに猗窩座に言葉を投げる祷折。猗窩座の額には青筋が浮かんでいるが、それに気づいているのか否か。
「……まあいいや。今お前に構ってる暇ないんだよね俺。ちょっと面倒な事になっててさぁ。まったく、どこであんなもの手に入れたんだか。人の妹に余計なもの持たせないでほしいよ」
「(妹……?)」
炭治郎が言葉に引っかかりを覚えた直後だった。嗅ぎ慣れた匂いが、ごちゃごちゃに混ざった感情の匂いを纏って近づいてきた。
「……ほら来た」
祷折が口元に笑みを讃えた瞬間、また猗窩座と煉獄の間を何かが横切った。それを確認した祷折は、ニィ、と意地の悪い笑みを浮かべる。
目の前に迫った自分と同じ色。
憎々しい金色の刃を振るわんとする愛しい貴方。
「──“神の呼吸”」
「いい加減、それやめてほしいんだけど」
爛々と輝くその瞳が、真っ直ぐ自分だけを捉えているその様にゾクゾクした。
「“参ノ型・改
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ユズヒ(プロフ) - 莉久さん» たくさんコメントありがとうございます!!嬉しい!!やっとこさ本格的に遊郭編に入りました!宇髄さんと絡ませるの楽しいので、もっと沢山絡ませたい欲が…ぐへへ…。いつもありがとうございます!励みになりますー!! (2022年11月7日 22時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
莉久 - もう何回のコメントしてすいません!だけど!私の脳がテンションを抑えきれなくてッ!アァァァッッ本格的に遊郭編突入!楽しみでしかない…✨✨文章がっ、溢れ出るこの文才…✨主ちゃんが可愛すぎます…宇隨さんとの絡み最高です!更新頑張ってください! (2022年11月7日 22時) (レス) @page48 id: 28e45e7c9c (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - 莉久さん» コメントありがとうございます!!やっと宇髄さん出せました!!これから遊郭編頑張っていきますー!!いいですよね宇髄さん。これからたくさん夢主に絡ませるぞ!嬉しいお言葉を文字数いっぱい…いつもありがとうございます…!これからも宜しくお願いしますー!! (2022年10月26日 2時) (レス) @page42 id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
莉久 - 久しぶりの更新有難う御座いますッッッ寝る前に読もうとしたらテンション爆上がりなりました!!!⤴主ちゃん遊郭編楽しみだなー!やっぱ宇髄さんのキャラいいわぁ…好きィ(^^ω)毎回話の内容の尊さに悶え 、文才の差を噛み締めております。続き楽しみです!…字数ゥッ (2022年10月26日 0時) (レス) @page42 id: 28e45e7c9c (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - 莉久さん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉の数々、ベッドの上で転げ回りながら感受致しました!本当にありがとうございます…!マイペースなノロノロ更新ですが、末永くお付き合い頂ければ幸いです〜!! (2022年9月27日 0時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:
作成日時:2021年12月20日 0時