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「だからそう言っただろうが」
「……あれで目立ってないつもりだったんだぁ……」
思わず呟いてしまった。クソ美丈夫に睨まれたけど、視線を素早く逸らして知らないフリ。クソ美丈夫はこちらを向かないでいただきたい。
だってどう考えても人選ミスだろう。私達を使うとか……いや待て。そういえばこいつ、最初はアオイちゃん達を連れて行くつもりだったとかを炭治郎から聞いたぞ。ってことは、私達は予定外ってわけで、とりあえず任務が終わったらこのクソ美丈夫を叩っ斬らないといけないわけで、こいつは神代山に連れて行かないといけないわけで……。
「具体的にどうするんですか?」
思考の海に沈んでいたら、炭治郎の声に引き戻された。危ない。このままだと本当にクソ美丈夫に斬りかかるところだった。落ち着け私。まだ早いぞ……。
「そりゃまあ変装よォ。不本意だが、地味にな。俺の嫁は三人とも優秀な女忍者……くノ一だ。花街は鬼が潜む絶好の場所だと俺は思ってたが、俺が客として潜入した時、鬼の尻尾は掴めなかった。だから客よりももっと内側に入ってもらったわけだ」
それはそれは。なんて勇気あるお嫁さん達なのか。っていうかこの言い方……これ、もしかしてクソ美丈夫、本当は行かせたくなかったりしたんだろうか、お嫁さん達を。話し方と視線から“仕方なく”感が強いんだよな。気のせい?
「すでに怪しい店は三つに絞っているから、お前らはそこで、俺の嫁を探して情報を得る。ときと屋の須磨、荻本屋のまきを、京極屋の雛鶴だ」
「嫁もう死んでんじゃね?」
「っあ゙ー!」
「この馬鹿猪……生き急ぎやがって……」
鼻をほじりながらそう言った伊之助と、一瞬で顔を青褪めさせた炭治郎。私は両手を合わせて南無……と拝む姿勢をひとつ。
「失礼致します。御入用のものをお持ち致しました」
「……どうも」
クソ美丈夫の地を這うような声のお礼。
屋敷の主人が襖を開けた頃には、死体が二つになっていた(言い方が大変悪い)。
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ユズヒ(プロフ) - 莉久さん» たくさんコメントありがとうございます!!嬉しい!!やっとこさ本格的に遊郭編に入りました!宇髄さんと絡ませるの楽しいので、もっと沢山絡ませたい欲が…ぐへへ…。いつもありがとうございます!励みになりますー!! (2022年11月7日 22時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
莉久 - もう何回のコメントしてすいません!だけど!私の脳がテンションを抑えきれなくてッ!アァァァッッ本格的に遊郭編突入!楽しみでしかない…✨✨文章がっ、溢れ出るこの文才…✨主ちゃんが可愛すぎます…宇隨さんとの絡み最高です!更新頑張ってください! (2022年11月7日 22時) (レス) @page48 id: 28e45e7c9c (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - 莉久さん» コメントありがとうございます!!やっと宇髄さん出せました!!これから遊郭編頑張っていきますー!!いいですよね宇髄さん。これからたくさん夢主に絡ませるぞ!嬉しいお言葉を文字数いっぱい…いつもありがとうございます…!これからも宜しくお願いしますー!! (2022年10月26日 2時) (レス) @page42 id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
莉久 - 久しぶりの更新有難う御座いますッッッ寝る前に読もうとしたらテンション爆上がりなりました!!!⤴主ちゃん遊郭編楽しみだなー!やっぱ宇髄さんのキャラいいわぁ…好きィ(^^ω)毎回話の内容の尊さに悶え 、文才の差を噛み締めております。続き楽しみです!…字数ゥッ (2022年10月26日 0時) (レス) @page42 id: 28e45e7c9c (このIDを非表示/違反報告)
ユズヒ(プロフ) - 莉久さん» コメントありがとうございます!嬉しいお言葉の数々、ベッドの上で転げ回りながら感受致しました!本当にありがとうございます…!マイペースなノロノロ更新ですが、末永くお付き合い頂ければ幸いです〜!! (2022年9月27日 0時) (レス) id: 717d8ad01f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユズヒ | 作者ホームページ:
作成日時:2021年12月20日 0時