公安警察のお隣さん。【降谷零】

煩いチャイム ページ10

ん〜〜・・・。
なんかもう、今日は晩御飯作る気になんないな・・・。


帰ってきてからというもの、まあ当たり前に何にもする気なんて起きなくて。
一人で座るにしては大きなソファーに座ってだら〜り。


あ〜。こうしてるとなんか心が落ち着く感じがする・・・


ピンポンピンポンピンポン！！


ぐだ〜っと、せっかくのだらけモードに水を差すチャイム。

うるさ・・・。何か宅配便とか頼んでたのあったけ・・・？
よくわかんないけど、もう今は動く気になんないから不在通知でも入れといて・・。


聞こえてるけど居留守を決め込む。
今はそんな気分じゃないよーだ。


そう思って、ぷいっとソファーに顔を沈める。
なのに！


ピンポンピンポン！！
ピンポンピンポンピンポンーー！



っだーーー！！
うるっさい！！！
いい加減にしてよもう！


チャイムのあまりのしつこさに根負け。
重い腰をのそのそ起こして、モフモフのスリッパを引きずりながら廊下を歩く。


くっそー。これで何かの営業とかだったら鼻フックしてやる！！！


ガチャッ


「どちら様で・・・！？」


「降谷です」


「んな・・・！おかえりください！！！」


扉を開けた先に立ってたのは、気まずそうな顔をした降谷零。
開けるんじゃなかった！！！


思わず一回開いた扉をグッと自分の方に引いた。
のに、すかさずグッと腕で扉を止められた。
こんの馬鹿力・・・。



「悪かったと思ってる！から・・ちょっと話をさせてくれないか」



そういって扉の隙間から覗く顔は、えらそうな口ぶりには似合わないような不安のこもった表情で、なんだか私が意地悪をしているような気持になった。




「別に。謝られるような覚えなんてないんですけど・・」


「頼む」


・・・私の根負け。
降谷零の無駄にかっこいい顔の勝ち。悔しいけど。


「話、聞くだけですから。入ってください」


憎まれ口をたたきながらも結局は玄関の扉を開いた。


「ありがとう。よっかた。きらわれたかと思った」


そういいながら靴を脱いで部屋に上がる降谷さん。


ちょっと待ってよ。嫌いになってないなんて、まだ一言も言ってない。
だけどそのセリフは、彼の顔を見て口に出すことが出来なかった。


そう言った彼の表情が、あんまりにも切なそうで、安心したような笑顔で。
胸の奥がぎゅっとなった。


意味わかんない。
そんなこと言う降谷さんも。
私のこの気持ちも。

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