元RTA走者と地下彷徨３【Undertale】【クロスオーバー】

色鬼12 ページ39

やってられない。と言うのは少し違っただろうか、いや、一部は合ってるけど…それだけではない。
私は、今は幸せだと、そう思わなければ自分を保つことが出来ないんだ。傷つけられては泣き叫び、奪われては気が狂い、身勝手と理不尽に振り回されて来た。

だからもう、それが終わったんだと、そう思わなければ…私には、生きると言うことは辛過ぎる。死にたくても死ねない身体だった時、解放されないことがいかに苦痛だったことか！
…今は、今は幸せなんだ。フリスクもいる、サンズもいる、ガスターさんもキャラもみんないる。美味しい物を食べられて、安心して寝ることが出来る。

なんて、幸せなんだろう。そう思うといつも涙が止まらなくなる。


……ねえSionちゃん。Sionちゃんが幸せなことってなに？

『＊…お前の思う幸せとはなんだ？』

「……アンタらには分からないだろうが。
全てから解放される事。それが、私の幸せだ。」

そう言い切るSionちゃん。あぁ、とても素敵だ。苦しみから、しがらみから、寂しさも悲しさも苦悩も全部解放されたら素敵だろう。

…素敵だけど、昔の私を見ているようで嫌いだ。とても吐気がするし、酷く憎めしい。
……まぁ、私はSionちゃんの悩みなんて知らないし知らなくて良いし。これは私が勝手に重ねて気持ち悪くなってるだけなんだけどね。


良いね、凄く素敵。

『＊…素敵だとさ。』

「そりゃどうも。
ま、こればかりは他人の話だからね。
アンタが私と重ねる必要はないよ。
…重ねてないなら余計な言葉だが。」


…うん、そうだね。でも…気をつけてよ。

少しでも、意味が違ったとしても、私のような思いはして欲しくないからそう言う。幸せって、間違えたら結局不幸になるだけなんだ。

『＊…幸せの意味を履き違えないよう、気を付けろ。』

キャラは私の言葉に、少し分かり易いように言葉を入れて伝えてくれる。

私は失敗してしまった。一度も振り返る事をしなかった。だから、欲しかった幸せを間違えてしまった。優先順位を、気持ちを、考えなかった。取り返しのつかない事をした。

だから、せめて…Sionちゃんだけでも…そう言う失敗はして欲しくない。

…どうか、自分の考える幸せではなくて、自分が納得できる幸せを。

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