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色鬼3 ページ30

「俺達Monsterだけを狙うなんて
──卑怯だそ。Sion。」

「呪うなら自分の非力を呪いな、クソ兄が。」

パーカーのフードを力一杯引けば、
ぐ、と息の詰まったような低い声がする。

「サボり魔も漸く捕まったことだし、
これで此方の世界の奴は全員鬼の経験ありだな。」

「要するに傍観してないで動けって事か?」

「あ、動いてないの自覚してたんだ?」

勢いのまま雪の中に倒れこんだ
Sansの腕を引っ張り、立ち上がらせる。
その際に幾分かパーカーが濡れてしまったらしく
Sansは小さく身震いしていた。うわ寒そ。

「寒いの?」

「誰かさんが倒したせいでな。
文字通り骨身に染みてるぜ、ド畜生。」

案の定、寒かったらしく
悪態をつき始めたSansに苦笑する。
捕まえる為とはいえ、冷たい雪の中に押し倒すのは
流石にアウトラインを越えたらしい。
……悪気は無かったんだけどな。

「…これ使いなよ。」

申し訳なさでいたたまれなくなり
自分の赤いパーカーを投げ渡せば、
地面に落ちるのを阻止するように慌てて
Sansがキャッチしていた。

「馬鹿なのかお前さんは。
そんな薄着じゃ風邪引いちまうぞ。」

薄手のワンピースとCharaの手袋だけになった私を
眺めるや否、パーカーを返却しようと
必死に押しつけてくるSans。

「このままじゃ風邪引くのはSansだよ。
私はそんな寒くないから安心して使えって。」

渋々と私のパーカーを羽織るSansから
腕に抱えていたSans自身のパーカーを強奪する。

「お前ッ…返せよ!」

「追い掛けるのに手元あっちゃ邪魔だろ?
返してほしけりゃ私を捕まえるんだな!」

その声を合図に私は走り出す。
その行為が不満だったのか
盛大に私の名を叫ぶSansがいた。

…よし、アメリア達を巻き添えにするか。

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カマ猫(プロフ) - エユ(このみ☆)さん» ありがとうございます!エユ(このみ☆)さん毎回コメントくれるの本当励みになります(*^ω^*)体調崩さない程度に楽しく書かせて頂きます!コメントありがとうございます。 (2019年8月14日 22時) (レス) id: 6d716ce25d (このIDを非表示/違反報告)
エユ(このみ☆)(プロフ) - またまた続編、おめでとうございます!(なんだか毎回コメント書いている気もします←)体調を崩さない程度に、頑張ってください!(これもコメントで言った気がします…←) (2019年8月14日 22時) (レス) id: 565c3a754b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:カマ猫 x他1人 | 作成日時:2019年8月14日 22時

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