元RTA走者と地下彷徨２【Undertale】【クロスオーバー】

隠蔽 ページ44

Chara side

「生憎僕らはあまり知らないんだよね…Sionの事。」

『…そうなの？』

え？と不思議そうに首を傾げ、此方を伺うフリスク。
だよね、そういう反応になるのは
何となく予想がついてて分かってたよ。

「─アイツ、自分の事を隠すんだよ。
俺達から情報は奪っていく癖に
自分は断固として渡そうとしないんだ。」

精々どうでも良い情報をくれるだけだ、と
投げやりにぼやいてみせたSansに同情する。
勿体振って話しを持ちかけてくる癖に
内容は全然薄いものだったり……

「きっと素直になるのが苦手なんだよ。」

「そう言うなら、アイツ捻くれ者だろ。」

口調が悪くなってきてるSansはもしかすると
大喧嘩の時を思い出しているのかもしれない。
未だあの時だけが、
本当の【Sion】が現れたのだから。

「精々僕らが知ってるのは、
彼女は何かを抱えてるって事と
彼女は本当の自分を隠してるって事くらいだよ。」

『………なるほど。』

【何か】へは突っ込みが入らなかったものの
【本当の自分】へは、興味を持ってくれた様子だ。

「本当は凄く口悪いんだよね…Sion。」

『へぇ、それは意外。男らしい口調だな、とは思ってたけど。』

驚いてる彼方のフリスク達には
同情心を抱かざるを得ない。
過去の僕らと今の彼らは同じだろうから。

あの大喧嘩以来、僕らはSionがキレると
【毒吐き】になると知っている。
その時のSionが、普段の彼女を連想させる事は無い。

僕はSansとFriskと違って
Sionの事を幾らか知ってはいるけれども
Sionがいた筈の世界軸では
ああいう風だったのかもしれない。

どちらにせよ、驚いたのには変わりないけど。

「隠されてる事が多過ぎて
把握出来てないのが今の現状かな。」

『…大変だね、秘密主義って。』

ホント、大変だよ。
もう少し素直になってくれてもいいのにね。

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