Qes,31_迸る死 ページ32
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作戦実行日当日、夜。
近くの私立中学の制服を身に纏ったAは、人通りの少ない夜道を一人で
――「A。中也君達が
『……うん。視えてる』
Aの周りには小さな画面が幾つも浮遊し、其処には様々な視点の映像が映し出されていた。
だが、それはA以外には見えていない、異能による遠視の
『……収集屋発見。中原さん』
――「行くぞ」
中原に追われる標的がゆったり歩くAを捕捉する。
残り二十米と云った所で中原がひっそり離脱し、残り十米の所でAがふと振り返った。
『私を、見ないで……黒い
ぶわりと広がった銀色の文字と光が
その途端____
「がっ………うっ、あ゛ああああああ!!」
「い゛ぃぃぃぃぃ!! あ゛あああぁ」
数秒、そうして呻いた後、標的は目元から血を垂れ流して絶命した。
Aは異能を解除し、ゆっくりと死体に足を向けた。
『……おしまい。……可哀想に』
目を見開いたまま絶命する彼らの瞼を閉じさせ、立ち上がろうとした時、彼女の首に衝撃が走った。
『っは……!』
「ふっ……」
そして、そのままAの意識は沈み、身体の拘束感と怠さで目を覚ました時には別の場所に居た。
自分が居るのは檻の中で、布が被されている。
異能で外を見やると、何処かの地下のようだった。
その時、Aの頭の中に千足の声が響いた。
――「目覚めた?」
『(うん。大丈夫。拘束は受けているけど)』
――「今は深夜の三時。競売開始は今夜の二十二時から」
『(判ってる)』
――「……気を付けて。俺も行くからね」
『(うん、待ってる)』
無線では取り上げられてしまう。
となると、千足の
暫くは眠って過ごすしかなさそうだった。
Aは再び目を閉じ、心を落ち着かせるに徹した。
その頃、本部では。
千足が紫煙を
「怒ってる……?」
「あー、違うよ。Aが心配なだけ」
「……きっと、平気さ。きっと」
「そうなら、いいんだけどね」
管理番号:K2513-无-〇二四二
異能力【万華鏡(バンカキョウ)】通称“百目鬼”の使用する千里眼類似異能力。“殺人千里眼”とも呼ばれる非常に危険な異能である。また、継続した長時間使用の副作用として目の痛みや発熱、一時的な視力低下・失明を招く場合がある
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作者名：綺弌 | 作成日時：2019年1月27日 1時
