Qes,29_禍つ夢 ページ30
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後日。
Aは森にとある話を持ち掛けられていた。
『カサルティリオの
「末端は君の存在を認知していない。つまり、彼処の競売品としてわざと潜り込む事は可能だ」
『……目的は』
「内部から競売を滅茶苦茶にしようじゃないか。
森はにんまり笑ってAにそう命じた。
カサルティリオの競売品として紛れ込み、彼等に多大な損害を与える。
取引相手の生死は問わないが、滅茶苦茶にしろ。
この任務にはAと千足をはじめ、太宰と中原、織田なども就く事になった。
『……必要以上に殺さずに、っていうのが難しいです。私の異能は殺人と透視に特化してますから』
「千足さんのは攻撃型じゃないものねぇ」
「戦闘となると肉体戦と銃撃戦が得意だね」
「太宰。抑も、二人の用途が間違ってンじゃねェのか」
「私知らないよそんなの。首領からAちゃんへ直々の命令だもの〜」
一番近い競売の日は今日から二週間後。
もうじき競売品の収集も始まる。
一時は太宰が紛れ込むという話もあったが、否応無しにそれは却下され、Aが競売品となり、会場に客として潜入するのが千足に決定した。
「本当は女装潜入が良さそうだけど、千足さん背高すぎてしまうしね……」
「おい手前、太宰。何で俺の方見ンだよ!」
「べっつにー」
自分の異能は端から気付かれ難いものである、という事をAは理解していた。
その為、どうやって競売品に紛れるか思案していた。
「うーん……丁度片付けないといけない組織があるから、それを誘き寄せて収集屋の目の前で片付ける?」
「手前それマジで云ってンのか」
「だって彼女の異能、端から見ただけじゃ分からないよ?」
「まぁ……そうだけどよ」
危険は伴うが、彼女は暗殺者だ。
しかもマフィアの首領が手元に置くほどの。
その案は実行に移される事となった。
「スプリングフィールドアーモリーXD-Sかぁ」
『一寸流石にデザートイーグルは無理です』
「スタームルガーMkIは?」
『……携帯なので、大きさが』
「あ、そっか」
ガーターベルトに
反対側には小刀が入る
「緊張してる?」
『していないと云ったら嘘になります』
管理番号:K2513-无-〇二四二
異能力【万華鏡(バンカキョウ)】通称“百目鬼”の使用する千里眼類似異能力。“殺人千里眼”とも呼ばれる非常に危険な異能である。また、継続した長時間使用の副作用として目の痛みや発熱、一時的な視力低下・失明を招く場合がある
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作者名：綺弌 | 作成日時：2019年1月27日 1時
