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Qes,12_肋骨から吐き出す弾丸 ページ13

(Side,太宰)


Aちゃんが本格的に仕事を始めてしばらく。
首領に行動を制限されている彼女に会うにはこうして彼女の部屋を訪れるしかない。

ところで彼女はデザートイーグルを使えるのだろうか。やけに手入れの仕方は慣れている様に見えるけど。




「それ、君使えるの?」


『使おうと思えば。……基本使いませんけど』


「……ふぅーん」




まぁ、そうだろう。
威力が凄まじい為に撃ち方を間違えれば、自分も危ない目に遭いかねない銃だ。基本的に彼女は目の異能を生かした、超遠距離からの狙撃をするのが得手であるし。




「此処しばらく仕事は事務作業かい?」


『そうですねぇ……。私よりも優秀な方は沢山居ますので』


「その年でこの世界にいる時点で優秀でしょ」


『まぁ、骨の髄まで染み付いた仕事ですから』




そう云ってクスリと笑う彼女。
肩より少し長いくらいの所で切り揃えられた黒髪が揺れた。

そういえば、今日はあの黒猫が見当たらない。




「テオ君は?」


『外です』


「散歩?」


『私の()をしています。お仕事ですよ』




成程。そういう異能の使い方もあるのか。
彼女の異能については未だ知らない事も多い。

……という事は、今は(・・)私を視ていなくて、テオ君の視界に映るものを視ているという事だろうか。




『考え事ですか、太宰さん』


「あれ? 君、若しかしなくても視えてる?」


『えぇ、しっかりと』


「テオ君の方で視ているのでは無いのかい?」


『ふふっ、これは企業秘密ですから云いません。でも、今は本当に太宰さんが視えてますよ』




彼女は人指し指を唇に当てて、そう云う。
この子とあの猫の関係にも何か秘密があるらしい。




『そういえば隠していた事が一つあります』


「何だい?」


『私、十五歳じゃなくて十三歳です』


「え、ほんと?」


『これは本当です』




大人びてたから全然考えもしなかったなぁ。
普通だとこの年の子が一人暮らしをする訳も無いし、否、彼女の場合、普通じゃないのは知っていたけど。




「テオ君は何歳?」


『うーん……一歳半ですかね』


「ふぅん」


『太宰さんはテオに触らないで下さいね』


「如何して?」


『テオがこの前嫌そうだったので』




カチャリと音がして銃の手入れが終わった。
彼女はそれを箱に仕舞って、続いて狙撃銃を取り出して手入れを始めるかと思えば、それを持って部屋の窓を開け放ったのだった。

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管理番号:K2513-无-〇二四二

異能力【万華鏡(バンカキョウ)】通称“百目鬼”の使用する千里眼類似異能力。“殺人千里眼”とも呼ばれる非常に危険な異能である。また、継続した長時間使用の副作用として目の痛みや発熱、一時的な視力低下・失明を招く場合がある


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設定タグ:文豪ストレイドッグス , ポートマフィア , 黒の時代   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:綺弌 | 作成日時:2019年1月27日 1時

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