大好きだから （宗像草太）

扉が三つ ページ5

スズメside


スズメ「はぁ、はぁ、はぁ」


全速力で来たためか、息切れしていた


山の入り口に自転車を止め、立ち入り禁止の看板を飛び越えた


そこからしばらく山を登ると集落が見えてきた。


こんなに綺麗な街なのにもう誰も住んでいないんだな
そう思いながら街を歩き、あの二人を探した


スズメ「すいませーん。いますかー」


スズメ「イケメンの人と美人の人ー」


あらゆるところを探したが人の姿も音もなかった


スズメ「私ー、あなたたちとー会ったことがあると思うんですー！」


…


スズメ「ていうか、これじゃナンパか」


結局誰もいなかったし、立ち入り禁止の看板見て帰ったのかな？
無駄足だったな…


スズメ「はぁ、帰るかぁ」


くるっと向きを変え、元来た道に戻ろうとしたが、ふと横を見ると開けた広場のような場所があった


スズメ「えっ？」


広場の奥の方を見てみると白い扉がポツンと建っていた


スズメ「あの人、扉って言ってたよね…」


そう思った私は自然と扉の方に足を踏み出していた


チャプ


水の音が足元から聞こえ、下を見ると広場一面に足首が浸かるほどの水が張ってあった
靴の中に水が入ってきて、気持ちが悪いが私は足を進めた


扉の前まで来ると扉が少し開いていることに気がついた


その隙間から何か不思議な空気が漏れ出ていたが好奇心には勝てず、その扉を開けた


ガチャ

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