大好きだから （宗像草太）

扉が十一つ ページ14

Aside

草太「ほんとだ」


草太はそれだけ言うと椅子を窓の前辺りに移動して座った。サイズ感があってないけど、それが可愛い。


草太「ﾌｳｰｰｰ」


『お疲れ様。大きい溜め息だね』


草太「…」


『草太？おーい』


草太「…ｽﾋﾟｰ」


余程疲れたらしい。返事一つしてくれない。ていうか寝てる？
いいもんね。Aちゃん、ひとり寂しく陰遊びしてるもんね←


犬や蛙をつくっていると扉が開いて救急箱を持った女の子が入ってきた


「さて、手当しますよ！まずはお兄さんから！」

──────────

「よし。次はお姉さんです！」


わ、私？？


『えっ、私はいいよ！』


「あぁー！もう！子供の我が儘ですかっ！！やるったらやるんです！」


草太「そうだよ、A。手当てしてもらいな」


『草太も最初は拒んだ癖に…』


草太「ｳｯ…返す言葉がない…」


勝ったぜ


『じゃあ、お願いしますね』


「お任せください！！」


そう言うと女の子はテキパキと手当てを始めた
消毒をし終わって包帯の準備をしているときに女の子は笑いながら話しかけてきた


「お二人、仲いいんですね」


『そうかな』


「はい！さっきの会話聞いてると楽しそうだったので」


草太「まぁ、Aとは小さい頃からの付き合いだからな」


『そう言ってもらえると嬉しいな』


恋人だしね。喧嘩もするけど


『ていうか、慣れてるんだね。手当て』


「親が看護士だったので」


だった？もしかして聞いちゃいけない内容だったかな…


「よし、出来た！」


『ありがとう』


「いえいえ！…あの…訊きたいことがあるんですけど、」


訊きたいこと？


「貴方達って、いったい───」


草太「ありがとう。迷惑をかけたな」


草太があからさまに話を遮るようにお礼を言った
これ以上彼女を巻き込む訳にはいかない。草太なりの優しさなんだろう


草太「俺の名前は草太。宗像草太です。こっちはA」


あっ、自己紹介するのね？？確かにまだだったもんね
でも今？？？


『えっと、薬師寺Aです』


「え！あ！ええと、私の名前は、岩戸鈴芽です」


『鈴芽ちゃんかぁ。可愛い名前だね』


鈴芽「ありがとうございます！Aさんの名前も可愛いですよ！！」


あら、この子可愛すぎない？？？鈴芽ちゃんに乗り換えようかな…←


草太「A？？」


『ｲｴ、ﾅﾆﾓｲｯﾃﾏｾﾝ…』


**************
名前表記とかいろいろ変えるかもしれませんが、ご了承ください…

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