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しょっぱい話 ページ5

静かに海をじッと見つめていると,急に隣から大きな声が上がった。
ビクッと肩を揺らせば,ごめんなさいと少ししょげた謝りが返ってくる。

圭「ねね!海しょっぱいか確かめてみない!?」

確かめるも何も

光「いや...しょっぱいんだけど」

てかそれ教えての俺なんだから確かめるも何も知ってるに決まってるだろ,と思いながらも

圭「お願いだよ!光くん付き合ってよ〜...」

と俺の腕を軽く引っ張る。

眉毛を八の字にして精一杯頼む相手が不覚にも可愛いと思ってしまい

光「はいはい,わかったよ,行くから!」

と相手の腕の力に任せて海の方へと引っ張っていってもらった。

大きな海を目の前にすると,圭人は俺の事を掴んでいた手を離して

圭「うわ〜!でっかい!てか冷たい!」

なんて子供みたいに騒ぎながら,ジャブジャブと小さな雫を撒き散らしながら走って入って行った。

光「あ、ちょ圭人!そんなに騒いだら...!」

注意をした頃には圭人は足が波に持っていかれて,声を上げながら海でコケていた。
しまったと思えば,冷たい水の中を同じ様に入っていき,相手の腕を引いて起こした。

光「お前浅瀬だから良かったものの...まじで溺れるぞ」

子供を持った親か,という気分になりながらも相手はヘラヘラと笑いながらやっちゃったという顔をしている。

ほんとにコイツ一人で行けていけんのかよ。なんて心の中で呆れれば

圭「でも光くん助けてくれるでしょ?」

呑気な事をヘラヘラと述べるが,一体俺のことをなんだと思っているのか。
別に海は好きだが泳ぎが滅茶苦茶出来るわけでもない。

光「助けられる限りはな。重くて見捨てるかも」

なんて意地悪なことを言えば、酷い!と子犬のような声で鳴いた。

圭「うわぁずぶ濡れだぁ〜...」

自分のズボンを今更たくしあげながら足をバシャバシャと水を跳ねさせながら上げる。

その水滴が俺にもかかり,下半身が濡れていく。
でもそのおかげか,先程の暑さは吹き飛んで,足元の冷たさが勝っている。

勝手に濡らされ少し気に食わなかったので,小さな仕返しのつもりで手を濡らしてパッと相手に水滴を飛ばしてやった。

すると顔をキュッとしかませる。

圭「冷たッ...てかしょっぱ!」

ペッペッと舌を出しながら,目をきゅっと瞑っている。

光「よくわかっただろ?」

圭「そうだね」

そう言っているうちに,体には潮の香りがふんわりと付いていた。

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ミミズク(プロフ) - nekoさん» わ~!有難うございます!!そう言ってもらえるのが一番嬉しいです!!これからも更新頑張ります^^* (2017年8月11日 9時) (レス) id: 40817227f9 (このIDを非表示/違反報告)
neko - この作品、好きですーー! (2017年8月9日 11時) (レス) id: 2adefd97cb (このIDを非表示/違反報告)
neko - 更新頑張ってください! (2017年8月9日 11時) (レス) id: 2adefd97cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミミズク | 作成日時:2017年7月28日 21時

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