約束の話. ページ3
少し蒸し暑いアスファルトの道を歩きながら昨日のことを思い出す。
綺麗な男性だった。凄く凄く綺麗だった。
透き通った目や，少し輝く金色の髪。
心までもが純粋でとても美しい男性だった。
多分歳は同じくらい。
光｢岡本圭人...｣
名前を一文字一文字思い返すように呟いた。
ｻｰｯと波の音が聞こえる。
気まぐれで俺はよく海に行く。
朝でも昼でも夕でも夜でも。
海からは，約20分程離れたところに住んでいる。
一番のお気に入りは，夕日の海を眺めること。
茜色の光が水に反射してカモメたちが悲しげに鳴き，とても儚い風景だからだ。
儚く静かな風景というのは不思議だ。
自然と自分もしんみりとした気持ちになる。
でもそれも悪くない。風情がある。だなんて思いながら歩いていると，見知った人影があった。
光｢...来てたんですね岡本さん｣
圭｢あｯやっぱり来たんですね？光さん｣
ﾆｺﾆｺと笑いながら俺を見つめれば，俺はその笑顔をしばらく見つめ，相手の隣に座った。
圭｢ここに来たら、あなたに会える気がしたんです｣
なんだそれ。なんて少し呆れながら，そうですか。と短く返答する。
圭｢海ｯてホントにしょっぱいんですかね〜？｣
光｢えぇ，しょっぱいですよ｣
顔をしかめるほどに。なんて説明を後付けすれば、
圭｢わ〜！それは気になりますね｣
なんて口元に手を当てながらまた笑った。
笑顔と光がまたキラキラと輝く。
光｢海。そこなんですから，確かめたらどうですか？｣
相手はキョトンとすれば，
圭｢いえ，確かめるのは明日にします｣
なんて少し細めの石の上にﾄﾝと身軽に立てば，クルンとバレリーナのように回った。
読めない人だなぁ。
心底何を考えてるかわからない。
圭｢だって，今確かめたらあなたに会う口述が消えちゃうじゃないですか。｣
ふんわりと笑いながら，俺をじっと見つめてきた。
更に良く分からない。
何が目的なのか。別に俺には何も無いし，得な事なんて何一つない。
光｢変わった人ですね。...でもそれが俺に合うための口述だからとか...種明かしして良いんですか？俺来なくなるかもですよ｣
少し脅すようにいえば
圭｢あぁ!?それは困ります！！｣
なんてワタワタと分かり易く慌てる。
圭｢明日の朝！朝！また来ますからね！絶対きてくださいよ！｣
なんて強引に約束を取り付けて彼は走り去って行った。
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ミミズク(プロフ) - nekoさん» わ~！有難うございます！！そう言ってもらえるのが一番嬉しいです！！これからも更新頑張ります^^* (2017年8月11日 9時) (
レス) id: 40817227f9 (このIDを非表示/違反報告)
neko - この作品、好きですーー！ (2017年8月9日 11時) (レス) id: 2adefd97cb (このIDを非表示/違反報告)
neko - 更新頑張ってください！ (2017年8月9日 11時) (レス) id: 2adefd97cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミミズク | 作成日時：2017年7月28日 21時
