冷えた話 ページ13
くしゅんッ。
俺は小さくクシャミをすると、それが静かな部屋に響く。
鼻を少しこすれば、椅子に座りながら読んでいた本をパタンと閉じた。
体冷やしたかな。
昨日、圭人と海がしょっぱいかどうかを検証した後、二人でさらにずぶ濡れになって遊んだ。
子供のように。
そのせいか久々に体を動かし、疲れて家に帰ればタオルで頭を拭きながらそのまま意識を手放してしまった。
恥ずかしい話だ...。
光「温かい紅茶でも飲むか...」
小さな棚からとても良い香りのするティーバックを出せば、綺麗な洒落たカップと皿をだしポットに水を入れて火をかけた。
そういえば...あのシトラスティー美味しかったなぁ。
昨日あの暑い日の下で飲んだ、爽やかな味を思い出す。
ひんやりと体が冷えていくあの感覚や、鼻から抜けるあの香りが忘れられなかった。
あ、アイツ...いつ今日来るんだろう。
約束をしていないことを思い出して、今日は会えないことに気がつく。
サンドイッチを作ろうと思っていたが、今日圭人が居ないと作る意味もない。
なら次会った時にでも約束を取り付けるか。
そんな事を色々と考えていると、ティーポットがカタカタと揺れた。
急いで火を切れば、カップにセットしたティーバックに向けてお湯を入れた。
じんわりとお茶の色が滲んでいく。
それと同時にふんわりと苺の香りが部屋を包み込んだ。
皿をカップのうえに乗せ3分ほど蒸らすのが俺のこだわり。
昔からこだわりは強いと言われている。
いつ...いつ、会えるだろうか。
まだ会って間もないのに、考えるのはいつもアイツの事ばかり。
...といっても考えていたのは会ってからの2日間だけだが。
そもそも人と関わるのが苦手な俺には友達というものは少数しかいない。
俺の幼馴染と、俺と同じ海好き仲間。
こまめに連絡とるのはこの2人位。
というか二人が俺の生存確認をしてくる。
生きてるッつーの。
とは思うが、まぁ内心嬉しいのは内緒にしておこう。
(じゃないとアイツらは調子に乗る。)
皿をとれば、水蒸気が水滴となって湿っていた。
そんなの関係なくカップの下敷きにすればむんわりと紅茶の温かさが伝わってくる。
あぁ、体にしみるな。
今日はまた夕方に行くかな。
そんな事を考えながら、冷えたであろう体を暑い暑い部屋の中で、熱い紅茶を飲みほした。
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ミミズク(プロフ) - nekoさん» わ~!有難うございます!!そう言ってもらえるのが一番嬉しいです!!これからも更新頑張ります^^* (2017年8月11日 9時) (レス) id: 40817227f9 (このIDを非表示/違反報告)
neko - この作品、好きですーー! (2017年8月9日 11時) (レス) id: 2adefd97cb (このIDを非表示/違反報告)
neko - 更新頑張ってください! (2017年8月9日 11時) (レス) id: 2adefd97cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミミズク | 作成日時:2017年7月28日 21時