心の鍵の話《ar》 ページ11
カッカッカッ...
自分の靴の足音だけが虚しく誰もいない廊下に響いていく。
山田と圭人様が喧嘩をするなんて初めてだった。
山田はいつも圭人様には強気でいるが、圭人様はそれを笑って優しく受け止めるという関係だ。
いつも意見をしないで受け身でいる圭人様が、あんなに声を荒らげて反論するなんて、生まれて初めてかも知れない。
それだけ譲れない戦いなのだろう。
つまり圭人様にとっては素晴らしいお方なのだろう。
でもまぁ、どちらにせよ
大｢まじ怖かったなぁ〜...｣
緊張が解けたのかどっと疲れが出てくる。
体が重い。
大｢まぁ確かに山田には辛いもんがあったのかもなぁ｣
山田は昔から圭人様の事が好きだ。
でも圭人様は親友として一番大好きなのだろう。
あまりにも交わらないと言ってもいい糸だ。
そう...俺だって...
俺だって圭人様の事が好きだった。
でもこっちを向いてくれるなんて思わないし、山田に勝ち目なんてないし、諦めていた。
圭人様が好きな人が出来たら、応援してあげよう。
そう思っていた。
俺は生まれた時から、圭人様の専属執事と決まっていた。
だからいつも傍にいてサポートをした。
でもいつからかそれは主従関係でなく、恋愛感情に変わっていた。
その笑顔が、仕草が、表情が...俺だけに見せてくれてらいいのに...
なんて独占欲まで出てきてしまった。
でもそんな感情は無駄で邪魔なだけ...
だから俺は心の底で鍵を閉めた。
そんな圭人様にも好きな人が出来た。
それはやはり嬉しかったし、山田に勝つ素晴らしい人なんだとも思ったし、少し悲しかったりもした。
でも俺の幸せは貴方の笑顔だから...
大｢ずっと貴方の幸せを守りますよ｣
なんて心の中で勝手な約束をした。
そろそろ圭人様を起こさなくては、なんて懐中時計を見れば胸元にそっと直して、俺はまたあなたのそばへと駆けて行った。
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ミミズク(プロフ) - nekoさん» わ~！有難うございます！！そう言ってもらえるのが一番嬉しいです！！これからも更新頑張ります^^* (2017年8月11日 9時) (
レス) id: 40817227f9 (このIDを非表示/違反報告)
neko - この作品、好きですーー！ (2017年8月9日 11時) (レス) id: 2adefd97cb (このIDを非表示/違反報告)
neko - 更新頑張ってください！ (2017年8月9日 11時) (レス) id: 2adefd97cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミミズク | 作成日時：2017年7月28日 21時
