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怪盗ジョーカーにプレゼント ページ47

『はい、これ』
そのままジョーカーに差し出す。ジョーカーはよく分からないままそれを受け取り、青いバラを眺める。
「青い...バラ?なんで5本?っていうか、くれるのか?」
『うん、あげる。ジョーカーにはたくさん助けてもらったから。そのお礼』
ストーンの身体はみるみるうちに光を失っていく。瞳の色も薄れている。元の...ただの人形に戻ろうとしているのだ。
その様子を見て、ジョーカーがさらに叫ぶ。
「待てよ!!一緒に怪盗やろうって言っただろ?その不思議なスズで助けてくれるんだろ!?一緒に世界一を目指すんだろ!?」
そう叫ぶジョーカーを見ている皆が、泣きそうになっている。
するとストーンは今までに見せたことのない優しい笑みを浮かべた。
そしてゆっくりと首を横に振る。
『ジョーカーなら、私がいなくても、世界一になれる。...ミラクルメイカーなんでしょ?奇跡を起こして...怪盗ジョーカー...』
ストーンは最後の力をふりしぼってジョーカーの手に『アイリスのスズ』を乗せた。
それを最後に、ストーンは目を閉じ、二度と口を開くことはなかった。
「ばかやろー......一緒じゃなきゃ意味ねーだろ......?お前もタマゴと同じじゃねぇかよ...。俺達を助けるために自分を犠牲にしたアイツと...!」
ジョーカーはうつむき、震えながらただの人形となってしまったストーンを抱きしめる。
アンティーク人形は、優しい笑みをたたえていた。
「ジョーカー...」
こんな事になってしまうならスイッチを押さなければ良かった…後悔しているジョーカーの後ろでは、クイーンやスペード、ハチにローズまで泣きそうになっている。というかクイーンとローズはもう泣いている。
シャドウはそっぽを向いている。
「ストーン...」
ジョーカーの声が寂しげに屋敷に響き渡る。
さっきまで動いていたのに、さっきまで一緒に話していたのに。
こんな結末なんて…悲しすぎる。
怖いぐらいに賑わっていた屋敷の中は最早誰もいないかのように静まり返っていた。
しばらくは誰も、口を開けなかった。

ミラクルメイカーに託された奇跡→←全てを終わらせるスイッチとは



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如月フウカ(プロフ) - 紗羅さん» 素敵なコメント、ありがとうございます…!ストーンはですね…どうなったんでしょうか…?本人に聞かないと分からないですね…。またいつかジョーカー達の前に現れるかもしれません!その時を楽しみにしててください! (2018年5月6日 13時) (レス) id: e48e0731f6 (このIDを非表示/違反報告)
紗羅 - こちらは完結となっておりますが、ストーンは死んでしまったのですか?生きていたらとても嬉しいです!本当にジョーカーのかっこよさを最大限に引き出していて最高でした!如月さん、とても面白かったです! (2018年5月4日 18時) (レス) id: 9bf26799d7 (このIDを非表示/違反報告)
如月フウカ(プロフ) - 怪盗ジョーカーさん» まさかジョーカー本人からコメントが来るとは…!感激!でもすごいのは毎回奇跡を起こすジョーカーだと思うけどなぁ…?ありがとう♪ (2018年4月21日 21時) (レス) id: e48e0731f6 (このIDを非表示/違反報告)
怪盗ジョーカー - こんなすごいのを作れるなんてある意味奇跡だぜ!!!! (2018年4月21日 17時) (レス) id: f070c3a57c (このIDを非表示/違反報告)
如月フウカ - 銀狼さん» ありがとうございます!毎度悩みまくって更新遅れちゃうんですけど、これからもよろしくお願いします! (2017年10月16日 17時) (レス) id: bac1df9334 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:如月フウカ | 作成日時:2017年7月5日 10時

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