怪盗ジョーカー〜心を失ったドールを救え！2〜

作戦実行！ ページ39

★ストーン★
ストーンが考えた作戦は単純だ。
ジョーカーのストレートフラッシュでイメージガムの人形と入れ替わり、逃げ出す、ということだった。
ただ逃げたわけじゃない。
きちんと策があった。
前に廊下を歩いていたとき、ミスター金有との話し声を聞いたことがあった。
「この部屋は秘密の部屋なんだよ、ミスター金有」
「どこか特別な場所でもあるザマスか？」
「全てを終わらせるスイッチを作っている。まぁこれは他の誰にも教えていないがな。いざというとき...人形に違法に魂を与えているとバレたときは...。まぁ対策はしているがな。話し声が聞こえる、と言われても平気なように花を育てている」
「花、ザマスか？」
「私はあえて花が大嫌いだ、と言っている。それなのに屋敷には花がある。なら、もう一人誰かいると考えるのが自然だろう。」
「なるほどザマス。でもそんなこと言われる時なんてそうそうないザマスよ？」
マルクスは笑う。
「言われたときの保証はいくらでもかけておいた方がいい。」
(全てを終わらせる...スイッチ...？)
ストーンの頭をぐるぐるとその言葉だけがまわる。
その言葉の意味だけはいまだに理解不能だが、きっと今の状況では切り札となるはずだ。
ストーンはその話し声を聞いた部屋の前に立つ。
ここは庭に通じる場所でもある。
ストーンは扉を開いた。
今こそ、それを使う時だ。
そう、確信めいた気持ちがあった。

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