【企画小説】頂戴しに参りました (ページ11)

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十話ページ11

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　ブレーカーが落ちるのを確認し、パソコンから映し出されるオークション会場と今回狩りに駆り出された皆の様子を見る。今回のターゲットは縦三十横約五十の名のある画家が手掛けた絵画だ。何をモチーフに描いたのか僕は興味が無かったので知らないが噂によるととある仕掛けが施されたものらしく見た目は普通の、それこそどんなボンツクもこれは名のある画家の作品だと言われれば成る程そうだと頷くような如何にもなもので聞くようなものは感じられないのが正直なところである。

　今回の作戦はこうだ。まず作戦立案及び指令塔が僕、はるかちゃん、美琴ちゃん、泉ちゃん、碧衣ちゃん、凛久ちゃん、怪盗役が残りの綾ちゃん、深月ちゃん、怜奈ちゃん、薫ちゃん。怪盗班は人目を惹きつける綾ちゃん、怜奈ちゃん、薫ちゃん、裏で悪く言えば尻拭い良く言えばサポート役の深月ちゃんに別れる。基本的に深月ちゃんは表立って活躍することはないけれど、彼女の性格と特性を考慮した判断だ。恐らく彼女は頭の回転が早い方ではない、それ故に物事を深く考え冷静に対処できるのだろうが表に立つには優れた瞬発力に判断力、そして体術とが必要になってくる。彼女の武器も含めあまり向かないだろう。

　今回の仕事は舐めて須らく大事が起こらないように行うのは至難の技だろう。そこでだ、まず深月ちゃんと怜奈ちゃんにウイルスの入ったＵＳＢメモリをどれでもいいので会場内にある関係者のみが使えるパソコンに指してもらう、そこから凛久ちゃん碧衣ちゃんがオークション会場のサーバーに潜入し碧衣ちゃんはセキュリティソフトに潜る。凛久ちゃんはセキュリティソフトに行き付くまでの難所を突破してもらう役だ。残りの男児二人には一足先に会場へ乗り込んでもらい深月ちゃんを除いた全員が踊り場に集まったところで観客達の目を全て踊り場に集めさせ残った深月ちゃんがまだ裏にあるであろう絵画を盗んでもらう。

　それにしても今回僕は暇だ。何もすることがない。嗚呼、何か不運なことでも起きないかな、なんて不謹慎だろうか。

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