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結局、海人くんが1番大きい方の袋を持って、
マンションまで送ってくれる事になった。
…だけど、何故か沈黙が続く。
チラッ…と隣にいる海人くんを見れば、下を向いてて、ボーとしていた。
私は気になって、自転車を止めてメモに書く。
《海人くん、どうかした?》
海「…え?あ、ううん、なんでもないよ笑」
「……」
海「それより、マフラーしてないけど寒くない?」
《寒いけど、コートも着てるし大丈夫だよ》
海「そう?急に冷えてきたからね。乾燥もしてるし」
《冬だから仕方がないけど、やっぱ寒いよね笑》
立ち止まってから、また歩き出す。
海人くん…何かを考え事しているのは見てて、丸わかりだから逆に気になっちゃうよ…
さっき、どうかした?って聞いたけど…
なんでもないって言われたし。
だけど、私が聞き出せる事は…
これ以上に、できないんだけどね…
海「それより、早くクリスマスになんないかなー」
《来週だから待ち遠しいね》
海「早くパアァァ!と騒ぎたい笑」
そう言いながら海人くんは笑う。
やっぱり、私はその笑顔が好きだな…
海人くんにはボーとしてる顔より、笑顔が似合う。
改めて隣で歩く横顔の海人くんを見て、そう思った。
ただ…
海人くんの好きな人は誰なんだろ…?
沙耶と朱莉ちゃんが言っていた言葉が、私の心の中で何故か、左右してしまう。
今のこの笑顔を…好きな人にも見せてるんだろうか…って、つい考えてしまうんだ……
海人くんがいつか…好きな人に告白するとしたら…
私は自ら、離れなきゃならない。
私達の側にいたいっていう…特別な“ 友達 ”の関係性はきっと終わるだろうから…
そう思うと、何故か闇に飲み込まれそうなくらい、
悲しくなる自分がそこにはいた。
そして…
《海人くん、ありがとね》
海「俺、玄関まで持つけど…本当に大丈夫?」
《そこまでしなくても大丈夫だよ笑》
海「そう?…じゃあ、クリスマスにね」
《うん、明日の舞台も頑張ってね!》
マンションにたどり着いて、
私は、海人くんを向こうへ行くまで見送った。
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Ageha♪ - 最初から何回も繰り返しで読んでます。自分のなかではお気に入りの作品なので楽しませてもらってます! 頑張ってください! (2018年12月9日 14時) (レス) id: ed50516e15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゅぷ〜ま | 作成日時:2018年12月4日 17時