１年越しの奇跡 ~ Future ~ ８ (ページ27)

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apart377 ページ27

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朱「…そんな、あやふやな気持ちのまま…ロシアで過ごして、パパのロシアでの仕事が終わったから、日本に帰国することになったんだ」

沙「5年…なんだもんね…」

朱「うん。日本に帰国して海ちゃんに会うの楽しみにしてた反面、緊張したな笑」

そりゃあ、そうだよね…

朱莉ちゃんの片想いは2人いるって事になるから…複雑というか…会うの戸惑っちゃうよね…

朱「だけど、そんなの自分らしくないなって思ったから、私らしく海ちゃんに会おうって思ったの」

沙「すごい前向きだったんだね笑」

朱「私のキャラ的にね笑…まぁ、会った時は大人っぽくなって、成長した海ちゃんには驚いたけど笑」

《そりゃあね笑》

朱「でも5年前はめっちゃ子供だったし、声も高くて…今とは想像つかなかったもん笑」

沙「そんなに？笑」

朱「ヘリウムガス使ってるんじゃないかってくらい、声高かったよ笑」

……声変わり前の海人くん、

そんなに高い声だったんだ…ちょっとびっくり…笑

朱「だからまぁ…衝撃的だったけど海ちゃんに会えて昔みたいに戻れたから…素直に嬉しかったけどね」

……でも、そう考えると、

朱莉ちゃんはどうして、ロシアに再び留学しようって決意したんだろう…？

それだけが謎だった。

《朱莉ちゃんは、日本に帰国して海人くんのこと、やっぱり好きだなって思えたの？》

朱「…うーん」

私の書いたメモを見るなり、朱莉ちゃんは一瞬、少しだけ黙ったかと思えば考えだした。

なんだかんだ、

そういうの気になっちゃうんだよね…

朱「最初は…ね」

沙「…最初？」

朱「なんて言うのかな？…最初は好きだって思ってたんだけど…今は幼馴染み感覚に戻れたというか…」

え…

それじゃあ、朱莉ちゃんの海人くんへの気持ちは……吹っ切れたってこと…？

朱「…言葉に表すと難しいんだけど…もちろん、簡単には恋の感情は変えられなかったよ？笑」

「…？」

そう言うと、朱莉ちゃんは私をチラ見するなり、

クスリと笑った。

朱「たぶんだけど沙耶ちゃんならなんとなく、わかるんじゃない？」

沙「あ──…笑」

沙耶は苦笑いする。

私にはどういうことなのか…

全くもって、意味がわからなかった。

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