Fragment209 ページ9
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海人くん…
鞄を持っているって事は、HR終わったのかな…
海「よかった…すれ違いじゃなくて…」
もしかして…急いで来てくれたの…?
海「はい。Aちゃんの鞄、持ってきたよ」
え…わざわざ……?
でも、どうして……
海「Aちゃん驚きすぎ笑…俺もびっくりしちゃったよ。トイレって言いながら全然、教室に帰ってこなかったからさ」
「…っ」
海「それで授業終わって、伊藤に聞いたら保健室って…まさかAちゃんに嘘をつかれるなんて思わなかったよ笑」
……だって、嘘つくしかなかったんだもん…
あんなに楽しそうに話してる2人を見たら、ね…
特に海人くんには心配かけたくなかったし…
だけど…嘘ついたのは、よくなかったよね…
《嘘ついてごめんね…》
海「ううん、気にしなくて大丈夫だよ。頭痛…なんだよね?マンションまで送るよ」
え……
《仕事は?》
海「今日はオフだから、なんにも予定ないよ」
《でも朱莉ちゃんは?一緒に帰らないの?》
海「いつも一緒に帰ってる訳じゃないから笑」
でも…いいのかな……
迷惑かける訳にはいかないしな…
《いいよ、私1人で帰れるし》
海「はい、でたAちゃんの強がり」
「…っ!」
海「…今も頭痛いんでしょ?さっき身体がふらついてたの俺は見てたよ。Aちゃんを1人したら危ないし…送らせて?」
海人くん…
本当に海人くんはずるい…
どこまでも海人くんは優しすぎてるよ。
こんなんじゃ、甘えるしかなくなる。さっきまで私が悩んでたのは、なんだったのか…ってなるじゃん…
海「今は素直に俺に甘えちゃっていいから…ね?」
「…っ」
《わかった…ありがとう、海人くん》
海「よし、帰ろっか」
海人くんはクスリと笑うと私の鞄を再び肩にかけて、持ってくれた。
朱莉ちゃんもいないことだし…いいかな…
今は…今だけは海人くんに従って、甘えちゃお…
そして、生徒が続々と部活や下校していくなか、私達も下駄箱で履き替えて私のマンションに向かった。
海人くんは気遣ってか、私のペースでゆっくり隣で歩いてくれる。
お互いにしばらく黙ったままだったけど、
周りに生徒がいないのをみはらかってか…
海人くんは手を優しく握ってくれた。
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祐莉 - いつも楽しく読ませてもらってます。主人公・高橋君・朱莉ちゃん・井上君の四角関係の予感が強まりましたね。主人公と高橋君は、まだ自分達の気持ちを自覚していないようなので、ライバルの存在は強敵ですね。 (2018年9月18日 0時) (レス) id: ea9cf53e18 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるん - 一番初めのやつから見てますけど、今が一番面白いです!投稿がんばって下さい!! (2018年9月9日 17時) (レス) id: d2a836d0c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みゅぷ〜ま | 作成日時:2018年9月7日 16時