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Fragment208 ページ8






「熱もないみたいだし、ただの頭痛だろうから
ベッドでゆっくり休んでてね」





保健室の先生に言われて、私はベッドに横になった。


さっき…海人くんと朱莉ちゃんを避けるかのように
逃げちゃったな…





本当はそういうことしたくなかったんだけど…


でも、耐えられなかった。





あの2人の楽しそうに話してる姿をみるだけで、心が
突き刺さったかのように、辛くなる。



それに、私が一緒にいたら…自分の存在が失っていく気がして…




声を出したいって気持ちが余計に更に大きくなる
一方だった。






私だって海人くんと自分の声で直接 話したい。


沢山、笑いあっていたい。







朱莉ちゃんが羨ましい……





2人を見るだけで、嫌な気持ちになって避けてしまう
のは…きっと朱莉ちゃんが羨ましいからだ…




嫉妬してしまう自分が嫌になる。






声が出せて話せるようになったら、どれだけ楽しん
だろう……



何度もそれは思っていることで…







だけど…






なんかもう…一生、私の声は出ないんじゃないか…



そう思うようになってきた。






声が出なくなった理由はお父さんのせいじゃない。



お父さんが責任を感じる事じゃない。






でも…でも、亡くなったショックから声は失った。




恨んでる訳じゃないのに…







辛すぎるよ…




最近まで新学期が楽しみって思っていたのに…








そして、ずっとそれに悩みながらも、私はいつの間にか寝てしまった。

















キーンコーン……





予鈴のチャイムと共に目が覚める…








ズキッ…




「…っ」





1時間ちょっとは寝ていたけど…やっぱりまだ…
頭は痛む。



こんなにも頭痛が酷いなんて、よっぽどだな…





そう思いながら、私はベッドから立ち上がって閉まっていたカーテンを開けた。






「あ、起きた?頭痛どう?マシになった?」





《まだ少し痛いので帰ります》





「そう、家でゆっくり休んでね。さっきちょうど7限目、終わったばかりだから」





《はい、ありがとうございました》






先生にそう伝えて、私は保健室から出た。




熱はないはずなのに、クラクラする…



帰れるかな…これ……






海「Aちゃん…!」






そう思いながら顔を下に向けて、歩いていると前から海人くんの声が聞こえた。



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祐莉 - いつも楽しく読ませてもらってます。主人公・高橋君・朱莉ちゃん・井上君の四角関係の予感が強まりましたね。主人公と高橋君は、まだ自分達の気持ちを自覚していないようなので、ライバルの存在は強敵ですね。 (2018年9月18日 0時) (レス) id: ea9cf53e18 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるん - 一番初めのやつから見てますけど、今が一番面白いです!投稿がんばって下さい!! (2018年9月9日 17時) (レス) id: d2a836d0c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゅぷ〜ま | 作成日時:2018年9月7日 16時

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