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俺はそう言うと、ゾムさんの隣を横切る。
返答なんて要らない。俺にはもう言える事は無い。
小動物達に何かあったらひとらんらんさんに怒られてしまう。



「(信じて欲しい、なんて我儘だ)」



足取りが重くなるのは、仕方ないと思う。
暗殺部隊隊長の、弱めていても尚鋭い殺気を受けたんだ。
しかも、関わりはしなかったもののその強さに憧れていた俺。
…憧れている人からの仲間否定は辛いぜ、ウン。

俺に何も言わず、動く気配すらないゾムさんを確認する。

…正直、素直な人だなぁ、と思った。
警戒心を隠さず真正面から来るなんて、狡賢い大人はしない。
隠し事には向いてなさそうだな。思った事直ぐ出そう。出てたわ。

まぁ、それがこの人の良い所でもあり、悪い所でもあると。


…さっさと戻ってブラブラするかぁ。
それが疑われるんだよ。
そう一人、心の中でくだらない漫才をして。

ひとらんらんさんの元へ走った。








─────








「お疲れ様」



そう言って渡されたのは、洗われたプチトマト。
それを見てキョトンとしていたのだろう、俺の方を見て、
手伝ってくれて有難う、と笑うひとらんらんさん。


_____なんだ貴方は。天使か?


先程まで荒んでいた心を浄化するように笑う彼が、
ソワソワしているのに気付いて、プチトマトを頬張る。



「ぅ、っっんま…!!」



街に売られているプチトマトとは全然違う。
なんて言ったら良いんだ?あの、トマトの味が濃くて、こう…!!



「喜んでくれて良かった。疲れてるみたいだったから」
「う……有難うございます、ひとらんらんさん」



言葉に言い表せない事を見越したのか、それでも嬉しそうに笑ってくれるひとらんらんさん。疲れてる事に気付いて態々とか、ほんと良い人だな…。
気遣いの出来る上司が居るほど嬉しいことは無い。
…いや案外あるけど。






「それじゃあひとらんらんさん、また!」
「うん。またね、A君!」





___暫くそのままプチトマトを堪能していれば、
遂に無くなったので、手を洗い立ち上がる。
手伝いも終わったし帰るか。

第二訓練場へと向かうひとらんらんさんと道を分かれては、
また俺は軍内を歩く。



「(レオが来るまでまだまだ時間あるな、どこ行こ)」



訓練がない日は暇だなと滅茶苦茶思う。
…休みを貰っても内ゲバで暴れる彼等の気持ちが、
ちょっとだけわかった気がした。








.





(「…ゾムがごめんね、A君」)

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kenma(プロフ) - 好き過ぎる…いつまでも更新待ってます! (8月15日 12時) (レス) @page49 id: 23621c8f5e (このIDを非表示/違反報告)
朱鷺(プロフ) - 大好きです!!また更新されることを願っています! (2022年5月5日 18時) (レス) id: 85717083f6 (このIDを非表示/違反報告)
さすらいの村人B - くぅ.....続きが気になり申す、、、 (2021年12月20日 9時) (レス) @page49 id: 38e13adc7f (このIDを非表示/違反報告)
クルイ@SOS同盟 - あ、好きです...頑張って下さい! (2021年5月10日 22時) (レス) id: 6c77753d41 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠の芽-にゃお(プロフ) - なにこれ神ですか!?!?!?一気見してこの時間になってしまいました、、、、さいこうですぅうぅつう!!!!! (2021年2月3日 3時) (レス) id: b4d2a08102 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ショイ太郎 | 作成日時:2020年5月29日 8時

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