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二十七話 誰かの悪夢 ページ25

体がふわふわする。深い水の中にいるみたいな感覚。

確か僕はぐちつぼ達の能力を無効化して……で、眠っちゃったのか。

もしかしたら相手の能力による副作用みたいな感じなのかな?そんなの資料になかったはず。
 
 ずっと落ちていく感覚から地に足が着く感覚になる。それでも辺りは真っ暗で何も見えない。

あまり良くないかもしれないけど埒が明かないから少し歩いてみよう。
 
 足音だけが辺りに響く。すると先に少しあかりが見える。

その真ん中にうずくまっている黒の短髪の男の子。泣いてるのかな?
 
「ねぇ、どうしたの?」
 
 ?「グスッ。もう一人はやだよ。やっと見つけたのに。また一人になっちゃう。でも、人を傷つけるのも嫌だよ。」
 
 これは僕の悪夢?いや、僕はこんな容姿じゃない。だけどそれは少し僕が嫌だと感じているもの。

また、捨てられるかもしれない。一人になるかもしれない。また…無視されるかもしれない。

だめだ。きっとこの夢に惑わされてる。でも、今の僕にはこの子を救えない。
 
「ごめんね。今の僕には君のことは救えない。無効化」
 
 僕は能力を発動した。当たりが明るくなりやっと目が覚めた。




今見た悪夢は誰の夢?

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作者名:廻忌 | 作成日時:2021年1月18日 17時

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