いい加減自称紙の妹とかやめてくれ【イナイレ】【逆ハー(？)】 (ページ20)

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少年のページ20

彼女から体を離す。

部屋から出ると、外から鍵を閉めた。

これで、やっと──────

・──・

｢起きろ、時間だ｣

目を開けた

見慣れない風景が広がる

見知らぬ男が俺に話しかけてきた

｢名前は｣

｢……｣

俺の名前…

…なんだっけ？

｢わかりません｣

｢…そうか｣

無表情を装って言うこの男に、俺は心底嫌悪感を感じた

──実験は成功だ!こいつは記憶を失った!!

｢！｣

この声は、なんだ

──何に驚いているんだ?

男の顔を見るも、口は全く動いていない

──気付かれる前にさっさと用を済ませるとするか

｢おい、こっちだ!!｣

男に首根っこを掴まれ、そのまま歩かされる

行先は……

男が大きなドアをノックする

許可が出たようだ
ドアが開いた

｢入れ｣

｢はっ!
議長、こちらが例の｣

｢よくやった｣

手を離され、男は出ていった

議長と呼ばれた黒髪の男は俺に声をかける

｢お前が、キョウだな｣

｢俺は…キョウ？｣

キョウ、なのか
俺の、名前は

｢そうだ
君はキョウ
我がエルドラドの優秀な人材
そして……｣

カチリ

冷たい音

ふと周りを見れば、銃を持った人々に囲まれていた

…逃げられない……

｢超能力者だ｣

パンッ

思っていたより軽い音が響く
足を撃たれたらしい
そこまで痛くないので掠った程度なのだろう

｢さあどうする?
我々に協力するか、または……

ここで、死ぬか｣

俺は舌打ちしたくなった

何が優秀な人材だ
一方的にも程がある…

｢協力してくれれば、行動の自由を与えよう｣

｢…断れば｣

｢勿論、この場で死ぬまでだ｣

つう、と背中を汗が伝った

ここで死ぬわけにはいかない
あいつらに合流しないと……

…？

｢分かった、協力しよう
ただ、1つ質問してもいいかな？｣

｢何だ｣

｢俺の記憶を操作したのは君達?｣

議長とやらの顔は相変わらずだったが、声は聞こえる

きっと、これが俺の超能力。

──いつそれを…
──まさか、まだ能力は生きているのか…？

｢その通りだ
俺は君の考えていることがわかる｣

｢………ならば、尚更だ
怪しい行動があればすぐ抹殺する｣

｢俺の記憶が戻らないうちに頑張ってね｣

挑戦的に笑ってみせる。

こっちの方が圧倒的に不利だと知りながら……