元エイリアの実験体は世界に羽ばたきます (ページ6)

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4.願い事ページ6

『こんな奴と話したくなんかないっ！

声を聞くのも嫌だ!!!』

僕がそう言うと、グランは悲しそうな顔をした。

基｢…緑川。代わりに、話して｣

緑｢要約しちゃうけどいい？｣

リュウジの問にグランは頷いた。

そしてリュウジが話し出す。

緑｢霊夜さんの実験は酷だったけど、監視はぜーんぜんゆるっゆるだったんだ。

それで、霊夜さんとヒロト達は仲良くなって…｣

『…達？』

緑｢晴矢と風介…バーンとガゼルだよ｣

…ありえない。

緑｢霊夜さんはAのためにーってこのミサンガを作ったんだ、実験の合間に。｣

ありえない…

緑｢それで、ミサンガが完成してもAと会えないからヒロト達に託した。｣

ありえない…

緑｢そのまま霊夜さんは死んじゃって……

ヒロト達はエイリア学園の命令に背かない範囲でAにミサンガを渡そうとしたんだよ｣

『嘘だ！

兄さんがコイツらのことを信用した！？

仲良くなった！？

騙される苦しみは兄さんはよくわかってた！！

そんな兄さんがコイツらを！？

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!!!!

そんなことあるわけない！』

緑｢…そんなこと言われても…｣

基｢…ねえ｣

黙っていたグランが口を開いた。

基｢君はさ、俺やバーンやガゼルがミサンガを作れると思う？｣

『それは……でもグランなら…』

基｢そのミサンガ、ちゃんと見た？｣

『…え？』

言われて、ミサンガに目を落とす。

基｢それさ、手作り感は否めないけど凄く丁寧に作られてると思わない？｣

僕は反論できなかった。

グランの言う通りだから。

基｢俺等が、そんなに綺麗に丁寧にミサンガ作れると思う？｣

『……思わない。』

緑｢ﾌﾞｯ……｣

リュウジが吹いた。

だがこういうのはスルーに限る←

『ミサンガの件は、信じる』

緑｢えー、ヒロトのことも信じようよー！｣

『無理』

基｢そんな、そこまではっきりと…即答されると流石に傷つく…｣

『されて当然』

基｢えー……じゃあなんて呼べばいい？｣

……難しいね。

兄さんも一之瀬もコイツのこと信用してたし…リュウジは信用どころか信頼してる。

『…なんでもいいよ』

基｢ほんと！？

そういえば、なんてお願いするの？｣

『あー…ミサンガね……ま、願い事は言ったら叶わなくなるらしいから秘密で』

緑/基｢｢ええー…｣｣

────────幸せに、なれますように。