元エイリアの実験体は世界に羽ばたきます (ページ13)

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11.紙切れページ13

練習が、もうすぐで始まる。

みんな、各自でウォーミングアップしている。

…あれ、バナナとリーゼントが孤立してる。

しょうがない、優しいこの僕がバナナに話しかけてあげよう。

『ふど……ばーななっ！』←

不動｢言い直すなよ！？｣

あれ、こいつ別にコミュ障とかそういうのじゃないのか。

てっきりコミュ障だから孤立してんのかと…←

不動｢…お前今失礼なこと考えただろ｣

『は！？考えてないし！

何お前、エスパーかよ！』

不動｢矛盾してるっつーの！

考えたんだな？｣

『うぐっ…』

言い返せないこの悔しさ。←

バナナに言い返せないなんて…

真実のコミュ障はまさか僕だったのか！？←

そーんなことを考えていると、虎丸が息を切らせてやってきた。

虎｢すみませーーーん！

なんか…信号という…信号が…全部…赤信号で！｣

そんな虎丸に、リュウジと壁山が近づく。

2人ともウォーミングアップが終わったみたいだ。

緑｢だぁから、そんな無理して家から通わなくても、ここに泊まっていけばいいのにー｣

壁｢ここのご飯、すっごく美味しいんすよ！｣

すると虎丸は困ったような顔になって、

虎｢あ……で、でも俺、自分の部屋でないと眠れないもので…｣

それを聞いて不動が嫌味たっぷりに言い出した。

不動｢はっ、大方、ママに子守唄でも歌ってもらってんじゃねえの？｣

…なーんでこんな事言うのかな、こいつは…

余計に反感買うだろうが。

虎｢っ…｣

綱海｢気にすんな！あんなやつ、勝手に言わせとけばいいんだよ｣

風｢なんであんなやつが代表に選ばれたんだろうな…｣

ほら。

実力はあるのに…

もったいないね。

…と、監督がきた。

久遠｢いいか。

はっきり言うが、今のお前たちの実力では世界に通用しない。｣

監督は選手を見渡しているのに、何故か僕とは目が合わない。

みんなは監督の言葉にかなりの衝撃を受けたようだ。

久遠｢お前たちの実力など、世界に比べれば吹けば飛ぶ紙切れのようなものだ！｣

…紙切れ、か。

面白いじゃん？

紙切れがどこまで成長できるか…

なぁんてね。

結局、監督は話が終わるまで、僕の方を1度も見なかった。