♦︎Porsche ページ10
《一回タクシーで送っただけなのに、よく私の家覚えてるね》
HC「あー､､､まぁ、」
珍しく歯切れの悪い返事をしながら運転する彼を横目で見る。ここまでポルシェにこなれて似合ってるって、まあそりゃ危険な男なわけで。
さっきも助手席なら乗るときに後部座席の方に光るものを見つけた。たぶんピアス。わたしはこんなところで落としたくないから、耳につけてるポルシェに乗る女はつけないであろう安物のピアスを取って服のポケットにしまい込んだ。
HC「俺、家同じなんだよね」
《はあ？！》
HC「いや本当にたまたまなんだけど、俺あそこの24階」
《へぇ、》
24階、ってオブラートに包んで彼は言ったけどイコールあのマンションの最上階だ。
私が社会人になって親の仕送りと共に貯めたお金でやっと買った6階もまあ頑張ったものだけど。そもそも収入がいいこの仕事のおかげっていうのはある。
HC「ヒョンのバー行ってるんだ」
完全に黒歴史をえぐられる質問をされてしまった。
あとにはひけないところまで来ていて、ポルシェの空気が私の肌に張り付く。
あくまで動揺しているのが悟られないようにできるだけ自然に、分かりきってる質問をする。
《ヒョンってジェヒョンオッパのこと？》
HC「そうそう」
《うん、2、3年前からお世話になってる》
HC「そんなに前から行ってるのによく会わなかったよね」
《私は去年ぐらいから君の存在気づいてましたけど》
HC「女の子を誘ってるやなやつって？」
びっくりして声も出ないなんてこと、本当にあるんだ。
HC「ショック､､､」
《ぐ､､､ごめんって》
HC「じゃあ、このあとちょっと付き合って」
《なにに》
HC「俺の部屋」
果実酒に酔うのは、いつだってできる。それが今なのか、そうじゃないのか。少なくともこの高級な密室では考えられない。
だから、さられるがままに頷くだけ。もう、駆け引きは始まっている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 603人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きぬど(プロフ) - yoroseさん» ありがとうございます！遅筆ですがよろしくです☺️ (10月17日 18時) (
レス) id: 64123585f5 (このIDを非表示/違反報告)
yorose(プロフ) - スピンオフ待ってました！！ (10月16日 13時) (レス) @page1 id: ea5756c655 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きぬど
| 作成日時：2023年10月15日 17時
