Kahlua and Milk (ページ4)

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♦︎果実酒ページ4

アルコールのように中毒性のある声で、どこかで聞いたら忘れられないような声だった。

その声と共に果実のような香水がする。

すでに体内にアルコールが入っていたわたしは五感が敏感になっていて、その匂いに酔いそうになった。

果実酒みたいな男。

聴覚と嗅覚がそう伝える。

女の子は果実酒が好きだから。

だって果実なんだもん、甘酸っぱいんだもん。

でもね、私は果実酒がキライ。

甘いと見せかけて、酔わせるから。
度数すごいんだから、アレ。

あいつくんは、さもわたしのことが見えないかのように、隣に座ってきた。

見えてるよね、さっき目あったし。

わたしのA奪っちゃって、この子は今ジェノさんのなんだから。

いや、わたしの？あれどっちだっけ？

《えーっと、》

『あ、ジェノくんにマッチング勧めた人』

《なる》

HC「その紹介の仕方やめてくれない？
、こちらは？」

《Aにマッチング勧めた女です》

Aと同じように自分を紹介する。

どうせこれだけの関係なんだから、印象なんてどうでもいい。

HC「おー、同類？」

違うよ、あんたみたいに異性引っ掛けないよ。

『そうそう、ヘチャンさんに会ったときに思ったんだけどスアとヘチャンさんって似てるんだよね』

《めちゃくちゃチャラそうなこの人と？》

A、知ってた？この人いつもバーで女引っ掛けてるんだよ？

HC「初対面のくせに辛辣なこと言ってくるこの子と？」

やり返されて腹が立ったから、じっと睨んでやった。

当の本人は知らないフリをしてる。

それもそれで腹が立つから、Aに見えないように、隣にあった太ももをつねってやった。

なーに笑顔張り付けちゃってんの。

その笑顔の裏には怒りマークが横から見えますよー。

どうやらコイツは、ジェノさんと同じ御曹司らしい。

なんでまた御曹司があんなバーで女を連れてるのよ。
わけわかんない。

でもなんでかな、お酒を交えたらコイツと馬が合っちゃって、やっぱりAが言うように、似てるのだろうか。

いつもより酔ってしまった気がする。

きっと果実酒からもアルコールを飛ばされてるからなんじゃないかな。