Kahlua and Milk (ページ21)

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♦タイミングページ21

JH「なんかあった？来てない間に」

《……さあ？》

JH「誤魔化すときに唇少し尖らす癖あるよね」

《今からでも法律を学んで司法試験受けたほうがいいね。なんでも知ってるみたいなのやめてよ、流石都会のお兄ちゃん》

JH「スアちゃん地方出身だっけ？」

《いいえ、ソウル生まれソウル育ち、ソウルから出たことない箱入り娘》

話しをはぐらかそうとしたけれど、「で、どんな人？」と聞かれてしまった。

ジェヒョンオッパには話しにくい。なんてたって、あの「あいつくん」と仲良くなってるんだもの。お互いの家に入り浸るくらいに。それが疚しいと思っていたわけではなく、ただ単に仕事で忙しくて来れなかっただけだけど、それを言えば余計に怪しまれそうだから言わない。タイミングよくお客さんが入ってきたりしないかと思ったけど、そう上手くことは進まない。

JH「まあ別に言いたくなければ言わなくていいけど。しばらくそういうのはいいんじゃなかった？」

《タイミングってあるでしょ。そのときの条件が上手いこと合わさってそうならざるを得なかったというか》

JH「へえ、、、そう言えばお客さんの一人が似たようなこと言ってたわ」

《ふうん、どんな人？》

JH「知りたい？」

キャンドルに照らされて意味深に微笑む。昨日はグラスを洗わずに帰ったのかと思うほど、さっきからグラスばっかり拭いている。
うん、と言おうとするとバッドタイミングでお客さんが入ってきて接客にあたって行ってしまった。グラスに口をつけて、ゆっくりとお酒を流し込む。だいぶ前に口当たりがいいと聞いたはずのスクリュードライバーは、乾いた口に急に入れたせいか、強く刺激する。

戻ってきたジェヒョンオッパは、私がyesと言ったのかnoと言ったのか覚えてなかったようで、「その人さ、」と話し始める。

JH「店(ここ)のお客さんを好きになったらしいんだよね」

《へえ、》

JH「スアちゃんも見たことあると思う」

《常連さん？》

JH「そ」

もしかして、私が知ってる人なのだろうか。もっと聞きたいと思ったけど、ジェヒョンオッパがそこで話をやめたから無理に深掘りするのはやめた。ただ、私と似てるなって。その人の恋が叶うといいなって、見えない相手に向かって心の中でそう思っておいた。