♦︎あいつくん ページ3
人生ふつうに生きてたら、苦手なタイプの人間っているだろう。
今もほら。
私が座ってるバーのカウンターの、4席ほど離れたとこで、女の子を口説き落としてるやつ。
いやなやつだわあ、。
おいしくお酒飲みたいだけなのに。
JH「スアちゃん見すぎ。そんぐらいにしときな」
ここのバーテンダーのジェヒョンオッパに声をかける。
常連になった頃から、いつのまにかお互いタメ口になった相手。
大人になってから友達として仲良くなった少ない相手。
《んー、あの人いつも女の子連れてるよね。しかもいつも違う子》
JH「え、興味あんの？」
《いや、ゆるふわ系男子はなぜモテるのかっていう論文書こうと思って。
参考までにねー。》
JH「その論文興味あるから絶対書いて。そんで見せてよ」
《ん。まぁ、見るからにモテそうだけど、あいつ。》
JH「あいつって、勝手に嫌われてんのおもしろ。
まぁ、人間観察も程々にね。」
《大丈夫。あっちはあっちで夢中だからさ。》
JH「あーゆータイプいや？」
《苦手の分類。観察しがいはあるよね》
JH「なるほどね」
《常連さん？》
JH「常連もなにも、大学の後輩。」
《ふぇ、そなの。なんかごめんね。どんな人？》
JH「申し訳ないって1ミリも思ってないでしょ。いいけど。
あいつくん、のまんまじゃない？」
《あー、》
嫌なやつ。
ダメな男に引っかかる私には要注意人物だ。
別になりたくてそうなってるわけではない。気づいたら、そうなってる。
あんなふうに、気楽に遊べたら。
《いいなぁ》
JH「ん？」
《ああいう男の子になってみたい》
JH「人間観察の結論それ？笑」
《大体これだよ笑》
そういって、カクテルにのってるチェリーを噛む。
ここは都会の空気で汚れた私の数少ない安息地。
どうかここがいつまでも守られていますように。
___________
そう思っていたのが2週間前。
振り返ると、"あいつくん"がいる。
誰がそんなこと、予想できただろうか。
私の安息地に置いていた赤い警報が鳴っている。
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きぬど(プロフ) - yoroseさん» ありがとうございます！遅筆ですがよろしくです☺️ (10月17日 18時) (
レス) id: 64123585f5 (このIDを非表示/違反報告)
yorose(プロフ) - スピンオフ待ってました！！ (10月16日 13時) (レス) @page1 id: ea5756c655 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きぬど
| 作成日時：2023年10月15日 17時
