Kahlua and Milk (ページ16)

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☀︎ハンバーグとの違いページ16

「お腹すいた。社食行こ」

HC「え、社食でいいの？」

「昼から兄にフレンチ奢らす気はない」

HC「奢りは確定なんだ」

支社で歩き回っているであろう妹を支えてるハイヒールが音を鳴らしながら廊下を歩く。俺は向こうの社食を食べたことがないから分からないけど、本人によると本社(こっち)のほうが社食が美味しいらしい。

廊下を2人で歩いてるとザワザワされて道を開けられるのはもうしょうがなく諦めているらしいが、本人は本当は目立ちたくない性分で最初の方は出してはいけないオーラを出しまくっていたのを思い出す。

慣れた様子でハンバーグ定食を注文する隣でなんとなく鯖の味噌煮を頼んだ。

HC「相変わらずそれ」

「これが一番美味しいの」

HC「女の子ってなんでよくハンバーグ作るんだろうな」

「妹が聞いてはいけない情報を聞いてしまったわ。ジェノくんに売ろ」

HC「は？お前まだ好きなの？」

「何年前の話？ジェノくん今好きな人いるんでしょ」

HC「えなんで？」

「マダムたちの情報は筒抜けってこと。
ハンバーグはあれじゃない。かわいいからじゃない？胃袋掴みやすいからね。ハンバーグ、ロールキャベツ、シチュー、。胃袋掴みたいのに鯖の味噌煮はないもん」

そう言って鯖の身の束をごっそりと奪う。「ん、こっちもおいひ」と母が見たら怒りそうな行儀の悪さだけど、満足そうにしているので何にも言えなかった。結局自分は、好きな人間に甘い。
代わりに味噌がつかないギリギリのラインに乗せられたハンバーグをいただく。

HC「干物とかもその類い？」

「論外でしょ」